前半はブラックエンペラーが高校中退の若者ばかりで構成されているにも関わらず、そこからイメージされるよりはるかに、知的で民主的な様が描かれる。
また、凶器準備集合罪でパクられるメンバーの家庭のコミュニケーション不足が描かれる。
後半は消えた金を巡って、詰められるメンバーとその友人で定時制高校に通うおちゃらけた半端ものの通称ゴムの様子が描かれる。
これも説教自体は最もな部分もあり、ちょっとしたDQN企業では普通にあることであり、意外に普通である。
結局のところ、家庭環境に問題があったり、社会の正当とされるレールに疑問を持った若者たちが、感情を緩やかに共有し、時には互助として働く集団、あるいは正しい社会のあり方を模索した集団を創り上げ、モラトリアムを走り抜けたに過ぎない、そんな気がした。
まぁ、描かれていない所で何をやってか分からないし、以降のブラックエンペラーは時代の流れの中で変容して別物として機能していったのだろうけど、それはまた別の話。
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- 感想投稿日 : 2016年6月19日
- 読了日 : 2016年6月19日
- 本棚登録日 : 2016年6月19日
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