ナカさんのながれ (EDGE COMIX)

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本棚登録 : 860
レビュー : 72
著者 :
ザムザさん 漫画   読み終わった 

オノ•ナツメさんの別名義であるbassoの新作です。二つの短編から成り、一つが”ナカさんのながれ”、もう一つが”くろぐろ”である。
 まず、”ナカさんのながれ”であるが、主人公は中マコト、41歳。ラーメン店「ナカ」の店主である。病院の検査により血流がドロドロになっているのが発覚し、よく青汁を飲んでいる。そして、「ナカ」の常連客で、中さんの恋人でもある戸松慎平、27歳。「ナカ」の近所にある不動産屋さんで働いている。付き合う以前は客として塩ラーメンの大盛りを頬張っていたのだが、その姿を見つめる中さんの視線に心を奪われてしまったのだ。
 この物語では普段の二人のやり取りと、二人が付き合うようになった経緯を中心に構成されている。
 もう一方の物語”くろぐろ”の主人公は、クマクラ画材というお店で働く一重まぶたかつ無愛想な矢田さんと、ともに働く従業員の秋山君である。まだ若いが白髪である秋山君と、白髪を気にして黒に染めることを怠らない矢田さんの交流を描いた作品である。無愛想ながらも根は優しく、気を使っている矢田さんと、健気であるが少し繊細で傷つきやすい秋山君のやりとりが微笑ましい。
 どちらの物語もオノさんらしい、ゆったりとした空気の間を感じさせてくれる作品である。この間がオノさん以外の人には作れない絶妙な間なのである。短いと不必要に感じてしまうし、長いと退屈させてしまう。そのどちらでもなく、そこしかないという所を突いてくる。唯一無二の間なのである。

レビュー投稿日
2012年5月10日
読了日
2012年5月10日
本棚登録日
2012年5月10日
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