とにかく探検とか秘密基地とか
自分でルールを作るストイックな少年像に弱い自分は(笑)
かなりハマりました♪
SFの皮を被りながら
終盤になるに連れて切なさが増す展開に
久々に読み終わってしまうことの
寂しさを感じた作品でもあります(>_<)
(そして最後の二行であえなく涙腺崩壊…)
主人公は
研究が趣味な、
小学4年生の「ぼく」こと
アオヤマくん。
スズキ君帝国初代皇帝で(笑)
イジメっ子の
スズキ君。
栗色の髪と
透けるように白い肌のクラスメートの
ハマモトさん。
「ぼく」と秘密地図を作る
探検隊の相棒で
ブラックホール好きの
ウチダ君。
そしてすべての秘密の鍵を握る、
不思議な力を持った
歯科医院のお姉さん。
物語は郊外の住宅地に突如現れた
ペンギンたちの謎に迫る
アオヤマ少年と仲間たちの冒険譚と、
切な過ぎる初恋の記録です。
秘密基地や探検ごっこで遊んだ記憶のある人なら
懐かしさで
微笑ましくなるだろうし、
子供たちが死に怯え
死に捕らわれてしまう場面は
スゴく共感できました。
パンが美味しい喫茶店「海辺のカフェ」での
お姉さんとのチェスシーンが
どこか詩的でなんとも印象的だし、
アオヤマ少年とお父さんの
凛とした信頼関係が
またカッコいいのです♪
(行く先を決めないあてのないドライブや子供扱いしない会話など)
実験が大好きで、
常におっぱいのことを考えてしまうアオヤマ少年は
もしかしたら
森見さんの子供時代そのままなのかも(笑)
抜けていく乳歯と引き換えに
少しずつ大人へと成長していく少年。
どんなに楽しくても
夏休みは必ず終わりが来るという真理。
好きな人を守り抜くために
自分のルールを貫きひた走る
アオヤマ少年、
誰がなんと言おうと
君は断然カッコいい!
胸を張るのだ、少年!
(お姉さん風にね笑)
SFで
哲学的なメッセージをエッセンスにしながら、
少年の大人への旅立ちを描いた
実はハードボイルドな
切ない傑作です!
途中で投げ出しちゃった人、
最後まで読んでみて!(笑)
- 感想投稿日 : 2013年1月28日
- 読了日 : 2013年1月28日
- 本棚登録日 : 2013年1月28日
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