県庁おもてなし課 (角川文庫)

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本棚登録 : 10111
レビュー : 906
著者 :
円軌道の外さん 小説   読み終わった 

25歳の県庁職員、掛水(かけみず)は
地元出身の人気作家
吉門(よしかど)に観光特使を依頼するが
「おもてなし課」側の
お役所仕事にダメ出しの嵐。

悩む掛水だが吉門のアドバイスで
有能な女性アルバイト、多紀(たき)や
斬新なアイデアを唱えながら
失意のうちに県庁を去った清遠(きよとお)をスタッフに迎え、
保守的なお役所体質に新しい風を吹き込み、
ふるさとに元気を取り戻すべく奮闘していく…


あまりに売れすぎて
最近はちょっと敬遠気味だった有川さんだったけど、
いやぁ〜やっぱ面白いわ(笑)


軽やかで読みやすい文章、

嘘をホントに見せる為の
圧倒的なディテールの確かさ、

「ベタ甘」な恋愛ストーリーを織り込んだ作風と
リアルな会話の妙。

どんなテーマを扱おうと
ブレることのない
そのスタイルの鉄壁さはさすがです。


それにしても
重いテーマでも鮮やかにエンタメにしてしまう確かな技量と
サービス精神には恐れ入るし、

面白いものを創ることに
とことん妥協しないその凛とした姿勢には
ホント脱帽します。


高知県まるごとレジャーランド化構想なんて
意識を変えるだけで
見慣れたものが売りになるんやって
目から鱗だったし、

掛水と多紀の馬路村への一泊二日のシュミレーション旅行なんか
羨ましくてもう(笑)
読んでてニヤケっぱなしでした。
(気の強いヒロインがたまにもらす節度をわきまえた上での甘えた言葉が男にはどうにも健気に映るし、有川さんはそこの匙加減がホントに上手い)


自分も北海道の富良野に行った時に
迷子になり途方に暮れてたら
大きなホテルの若い女性従業員さんが
タクシーを手配してくれて
無事に宿泊先のホテルまで帰れたことがあって
その時に掛水の言う
「おもてなしマインド」を感じたんですよね。

美味しい食事や美しい景色も勿論だけど
何年経っても心に残るのは
もてなしてくれた人の笑顔や
人に優しくしてもらった記憶です。

高知を描いているけど、
視点を変えるだけで
まだまだ地方にも面白いものがあることを気付かせてくれたことが
この本を読んだ一番の収穫なのかも。


なお自分も高知出身。北海道へ浮気せず(笑)
たまには帰ってみるかな〜♪

レビュー投稿日
2013年6月26日
読了日
2013年6月26日
本棚登録日
2013年6月26日
19
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