シアター! (メディアワークス文庫)

3.94
  • (1289)
  • (2188)
  • (1262)
  • (129)
  • (23)
本棚登録 : 13251
レビュー : 1549
著者 :
制作 : 大矢 正和 
円軌道の外さん 小説   読み終わった 

いつもと比べると
ベタベタな恋愛要素は薄めなので、有川さんの甘さが苦手だった人でも今回は楽しめると思います(^O^)
しかしコレを読んで
演劇の世界にのめり込んじゃった人も
多いんじゃないかな(^_^)

芸ごとで飯を食うということ、
『創る』才能を持った人たちの苦悩、
自分の芸で金を稼ぐ
『プロ』の世界の厳しさや凄さを見せつけてくれる小説です。

少なくとも
公演で黒字を出せるようにならなくては、
プロとは呼べない世界。

黒字を出すには
それだけの客を呼ばなくてはならない。
客を呼ぶには
面白い芝居を作らなければならない。
公演をやったとしても収入は劇場代や
外部スタッフを雇うギャラ、
道具や衣装などの経費に消えてしまい、
劇団員の収入になることはほとんどないという本当に厳しい現実。
自分自身土俵は違えど
同じプロという名の世界で生きているので、ヒトゴトではなく
リアルに響いてきました。

成り行き上、
劇団を影で指揮することとなった
鉄血宰相・春川司。

脚本を書かせたら
天才的手腕を発揮する
泣き虫主宰・春川巧。
鋭くて優しい
大人な看板女優の
牧子。

神経質で物事に細かい
おデブなペシミスト・
秦泉寺(じんせんじ)、

勝ち気で明るい熱血漢の黒川、

二枚目担当の
小宮山、

Webデザインが得意な
ニックネーム・マスターの茅原、

天災級の破壊力を持つ(笑)うっかり女優、
スズ、

関西出身のリアリスト・
ゆかり、

看板女優の牧子にメロメロの忠犬・
石丸、

変幻自在の『声』が武器の新人女優、
ディープインパクトこと
羽田千歳。


などなど
個性豊かなキャラが織りなす
リアルな会話の妙が
グイグイ読む者を引っ張っていってくれて、
あたかも実在の劇団の裏側を見ているかのような
錯覚に陥ります(笑)(^^)

楽しければそれでいいじゃんと、
『プロ』であることを放棄してた小劇団が
観に来てくれる観客のために、
また自分自身が壁を越えるために
本気になった時、
物語は加速度的に面白さを増していきます。
お兄ちゃんにお尻を叩かれながら、弟と愉快な仲間たちは果たして、借金を返す厳しい条件をクリアすることができるのか?

口には出さない
切ない恋模様も絡め、
『演劇』業界の仕組みや、自分の名前で稼ぐ『プロ』という名の世界の厳しさをも垣間見せてくれる
心躍る小説です。

レビュー投稿日
2011年4月10日
読了日
2011年月
本棚登録日
2011年4月10日
3
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『シアター! (メディアワークス文庫)』のレビューをもっとみる

『シアター! (メディアワークス文庫)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする