私を知らないで (集英社文庫)

  • 集英社 (2012年10月19日発売)
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本棚登録 : 2576
感想 : 339
5

うぅぅ〜(>_<)

「いやぁ〜本が好きで良かった!」というこの感動を
真っ先に誰に伝えればいいのか(笑)


素晴らしいレビューで
自分に新しい扉を開いてくれた
kwosaさん、neon_booksさんに
まずは感謝!


またお気に入りの作家が増えてしまったなぁ〜(>_<)



転勤族の親の都合で
転校を繰り返す
13歳、中学二年生の主人公、黒田慎平。

新しいクラスで
シンペーの心を奪ったのは
大人な美少女の新藤ひかり。

しかし彼女は
なぜか周りから蔑んだアダナの「キヨコ」と呼ばれ、
クラスでは完全に無視される存在。


新しい転校生と共に
シンペーは
彼女の謎に迫っていく…


一人の少女を救うため
二人の少年が挑んだ
切なく胸を締め付ける
無謀な戦いを描いた
青春ミステリーの傑作!




いや、最初は
永遠の転校生であるがゆえに
人と深く繋がることを怖れ、
責任を持つことを避けて生きてきた主人公像に
違和感を覚えていたのですよ(笑)

単身世帯の子はタフである論や
年齢の割に達観しまくったところなど
全くと言っていいほど共感できなかったし。
(勿論作者はワザとそう描いているんやろうけど笑)


しかし、それでもなお
ページを捲る手が止まらない
引き込み力の凄さは
やはり白河さんの実力なんやろなぁ(笑)


そしてなんと言っても
謎の美少女キヨコの
ミステリアスな魅力に尽きます。

誰にも諂わず、
胸を張り凛として歩く
キヨコの不屈さに
心動かされない人はいないだろうし、

キヨコが初めてのダンスゲームを完璧にこなしたり、

シンペーがキヨコお手製の
暗黒おにぎりの美味さに驚くシーンには
満面の笑みにさせられたし、

文化祭での
己の存在意義を賭けての
「バーバー・キヨコ」の奇跡は
痛快かつエモーショナルに
読む者の胸を打って、
涙なしでは読めないハズ(T_T)



少女の壮絶な過去と
少年がたどり着く
驚愕の真実。

身近な人の秘密は
とてつもなく甘く
後悔するほどにほろ苦い。


二人の少年ドン・キホーテたちは
何を失い何を得たのか。


切なさと希望を内包した
一気読み必至の
広く親しまれるべき傑作です。


繰り返すけど、傑作!(笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2013年4月21日
読了日 : 2013年4月21日
本棚登録日 : 2013年4月21日

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コメント 4件

kwosaさんのコメント
2013/04/22

円軌道の外さん!

ついにお読みになりましたか!

レビューを拝読して、この本を読んでいる時の感情がよみがえってきました。
いろんなものがないまぜになった、あの複雑な何か。

そして、まさかレビューに自分の名前が出てくるとは。
びっくりして、恐縮して、笑ってしまいました。
でも、じつは僕もマリモさんのレビューをきっかけに手に取ったんですよね、この本。
いやぁ、あらためてブクログってすごいなぁって思います。
ブクログがなかったら出会わなかった本っていっぱいありますもん。
あらためて、ブクログ万歳!!

『私を知らないで』について、円軌道の外さんと語り合いたいことは山ほどあるんですが、未読の方がコメント欄を読んでがっかりするのもアレなので。
すこしでも気になった方には、気持ちが新鮮なうちに手に取ってもらいたいですよね。

円軌道の外さんのコメント
2013/04/22


おおーっ!!
kwosaさん、気づいてくれましたか〜(泣)(>_<)

自分の携帯のレビューでは
何度やっても
レビューがすべて反映されなくて、
(しかもkwosaさんへの感謝の言葉を書いた冒頭だけが反映されないのです)

かなり凹んでたんやけど
スマホやパソコンからは
おそらく読めてるんですね(笑)(^_^;)

それが分かっただけでも
とりあえず
ホッとしています(笑)

あっ、マリモさんから
『私を知らないで』バトンは
密かに繋がっていってたんですね(笑)

自分も昔はかたくなに
自分の好きなものだけを追いかけるタイプやったけど、

ブクログを知って
いろんな本好きさんと知り合ってから
書評を読むのが楽しくなりました。

人間いつ死ぬかなんて分からないし
自分で自分の枠を作っちゃうって
すごくもったいないことですもんね。

何も知らないままで
自分は死にたくはないし(笑)
もっともっと貪欲に
もっともっと柔軟に
読まず嫌いをなくしていきたいって思ってます(^O^)


しかしホンマ
心揺さぶる
いい作品でした!


neon_booksさんのコメント
2013/04/24

読まれたのですね^^

コレはホント不思議な魅力のある
作品ですよねー。透明感も温度も
他の作品とは違って見えます^^

円軌道の外さんのコメント
2013/05/02


neon_booksさん、
コメントありがとうございます!

いやぁ〜
皆さんの熱いレビューを読んで
何か感じるものがあったので、
「必ず読むリスト」にメモっていたけど
いやはや、噂に違わぬ傑作でした(^O^)


また新しい好きな作家が増えたし
neon_booksさんには
ホンマ感謝してます!


しかし今の若い作家は
ホンマに文章が上手いですよね(>_<)

自分より若い才能のある作家が
続々とデビューしていて
毎回驚かされています(汗)


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