図書館の神様 (ちくま文庫)

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本棚登録 : 3214
レビュー : 422
著者 :
円軌道の外さん 小説   読み終わった 

いつも正しくあることに重きをおき
バレーボールに青春を捧げ、
18歳まで清く正しくまっすぐな青春を生きてきた
早川清(キヨ)。


しかしある事件から
思い描いていた未来を諦めて
国語講師として赴任した高校で、
驚いたことに文芸部の顧問になった…。



部員は3年生の男子の垣内君ただ一人。


スポーツ万能なのに
文学が好きな垣内君の秘密とは…。



不思議な出会いから、傷ついた心を回復していく再生の物語。




いやぁ〜このまったりとして
心地いい読後感。

大好きな作家です♪


瀬尾まいこの持ち味である
あたたかい眼差しで、
淡々とした日常を描いただけの話なんやけど、
誠実で優しい文章が
疲れた心にスーッと沁み入ってきます。



バレーボール部の顧問になることが目的で講師になったのに、
活気もなければたいした目標もない
退屈な部活の顧問になってしまって
頭を抱える清。

そんなことにはかまわず、
毎日一心不乱に
図書室で川端康成を読み続ける垣内君。


本気で文学をやりたいと思う高校生がいることに
清は度肝を抜かれる。


最初は図書室唯一のマンガ本「はだしのゲン」を読んだり
海を眺めて
退屈な文芸部の時間を潰していた清が、
垣内君と過ごす
かけがえのない時間の中で
正しいことが全てではないということに気づき、
講師ではなく
本職としての教員を目指していく…。


お互いの持つ傷には
決して触れない
二人の距離感が絶妙で
ちょっとズレた二人の会話にも
心が和みます。



甘くてプルプルした
プリン。


透明で餡が透けて見える
くず餅。


メロンが沢山載った
ショートケーキ。


パスタで結んだ
朝からじっくり煮込んだロールキャベツ。


鮭とほうれん草とキノコの
生クリームスパゲティ。


などなど
瀬尾さんの作品ではお馴染みの
食事のシーンも
たくさん出てきて楽しい(^O^)


男前過ぎる(心根がね)
垣内君を始めとして、

清と不倫中の
ケーキ教室の先生、浅見さん

清の弟でシスコンの大学生・拓実


28歳で毎年教員採用試験に落ち続けている
体育講師の松井、


など登場人物も相変わらず魅力的で
すんなり物語に入っていけます。



心に傷を抱えて生きる人や
文学の楽しさを知らない人にこそ
読んで欲しい
本当に清々しい
再生の物語です♪

レビュー投稿日
2011年4月22日
読了日
2011年月
本棚登録日
2011年4月22日
3
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