3月のライオン 9

著者 :
  • 白泉社 (2013年9月27日発売)
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本棚登録 : 5627
感想 : 353
5

ずっと買い忘れてて年末に買ったんやけど、
積ん読のまま眠っていたのをハタと思い出して
今やっとこさ読み終わりました(汗)

いやぁ~、やっぱこの人の漫画は
普通の三倍は濃密やし(笑)、
読むと必ず、心があったまるこになるわ(*^o^*)
(だから一冊読み終わるのにも時間がかかるし、幸福な時間が長く続くのですよ笑)


つか、この巻を語るなら
なんと言っても
きつねの甘辛いお揚げさんと
とろけるエビ天を贅沢にもダブルでトッピングした 
『甘やかしうどん』に尽きますね!(笑)

いつも思うけど、羽海野さんの
言葉選びやネーミングセンスは
詩人が選びに選びぬいて使う
『コレしかないジャストフィット感』を感じさせてくれるし、

昔からみなそれぞれ自宅では食べてた両方載せうどんが
類い希なるネーミングの力だけで
俄然キラキラと輝く食べ物に変わるんやから
ホンマ不思議ですよね~(笑)

それにしても立ち上る甘ぁぁ~いい湯気と
麺つゆとお揚げさんの匂いと共に囁かれる
「甘やかされたいひとはいますか〜?」の一言に
抗える人がいったい何人いるんやろ~(笑)
(そういう自分も読みながら思わず手を挙げましたもん!笑)


そして羽海野さんの作品の特徴として
脇役キャラの一人一人にまでスポットを当て、
それぞれがそれぞれの世界で生きる(戦う)理由や意味を
すっ飛ばすことなく丁寧に丁寧に描いているので、
どのエピソードも心に刺さるんですよね(泣)
 
いじめの標的にされ
心を壊し転向せざるを得なくなった佐倉ちほちゃんや
それを庇ったひなちゃんを
極限まで追い込んだいじめの首謀者である高城は
空虚な自分の気持ちを
学年主任の先生に見透かされ
初めて自分と向き合うきっかけになるのかも気になるところだし、

死神と呼ばれ、棋士仲間からも疎ましがられる滑川七段の
決して表には出さない苦悩、

いつかいつかと名人になる日を夢見ながら
どうしてもあと一歩届かない土橋九段の
誠実であるがゆえの愚かしいまでの愚直さは
自ら命を絶った実在したマラソンランナー円谷幸吉を彷彿とさせて
どうにも胸を締め付けるし、

それを影で支える家族の思いは
誰もが気付かないところで
本当は誰もが誰かに守られて生きてることを改めて教えてくれるし、
とにかく下手な小説や映画を観るよりも
深く強烈に心に残るのですよ( >_<)


とうとうハチクロに追いついた記念すべき10巻は
まだ先のようだけど、
髪を切り高校生になったひなちゃんと零の淡い恋模様や、
零の学校の先生が一瞬で恋に落ちた(笑)あかりさんとの仲は
果たして今後進展があるのかなど(笑)
読み手を惹きつける吸引力は
まだまだ健在です!
(あと、去年入院されたという羽海野さんの体調も気になるところ…)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2014年8月27日
読了日 : 2014年8月27日
本棚登録日 : 2014年8月27日

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