ヴァイブレータ スペシャル・エディション [DVD]

監督 : 廣木隆一 
出演 : 寺島しのぶ  大森南朋  田口トモロヲ  戸田昌宏  牧瀬里穂 
  • ハピネット
3.75
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本棚登録 : 259
感想 : 58
5

2003年公開の傑作!


芥川賞候補にもなった
赤坂真理の
同名小説の映画化です。


心に問題を抱える
フリーライターの女性が、
コンビニで出会った
トラック運転手の男との
行きずりの恋に癒され、

ひととき旅をし
そして別れていく…

切なくて儚い
72時間の
2人だけのロードムービー。


淡々とセリフも少なめですが、
絶妙なカメラワークや
バックミラーや無線を使った小道具など、
映像がホンマに素晴らしいし、

二人の会話が
とにかくリアルで、
その全てが心に沁みます(>_<)


なんと言っても
主演の寺島しのぶの
繊細でいて、
現実にこの世に存在しているかのような、
たぐいまれなる名演と、

まだブレイク前で金髪の
大森南朋による
力の抜けた自然体の演技が
素晴らしいです(≧∇≦)


頭の中で聞こえる
様々な声のせいで、
アルコール依存や
不眠や過食を繰り返す主人公。

疲れきっていながらも
どこか純粋で
少女のような
あどけなさを持つ女性を
演技派・寺島しのぶが、
繊細でいて大胆に

『あれは私だ』と、

傷ついた誰もが
共感できるであろう女性像を
完璧に演じきっています。


クライマックス、
モーテルの風呂場での
寺島しのぶの号泣シーンは
激しく胸を揺さぶって、

二人が思いを吐き出す
定食屋のシーンには、
知らず知らずに
涙があふれました(ToT)


みんな誰もが
心に孤独感を抱えて、

一人じゃいられなくて、

誰かといることの心地よさや、
他人の体温を感じたいと願ったり、

タイトルにもなった
「ヴァイブレーター」のような、
心震わす「何か」を求めているんですよね…。


冬の夜に
1人で観たい作品です(^_^)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 映画
感想投稿日 : 2012年1月27日
読了日 : 2012年1月27日
本棚登録日 : 2012年1月27日

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