素晴らしいアメリカ野球 (新潮文庫)

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strattonさん 本・雑誌   読み終わった 

新潮文庫の「村上柴田翻訳堂」から手にした一冊。70年代の半ばに出た「集英社版 世界の文学」に収められた小説が、柴田元幸の味わいある注釈と「村上柴田翻訳堂」の主人二人による対談形式の解説によってよみがえった。
ハナシとしては、もうとんでもない大ぼら。ナショナル、アメリカンの両リーグの他に「愛国リーグ」なるものが存在し、そこに所属するマンディーズというチームには、52歳の現役選手、片腕がない選手、身長1mに満たない小人選手がいたり、しまいには共産主義のスパイまで。
虚実ないまぜどころか、虚ばかり。しかも文庫640ページを超える長編ときているから、もう腹いっぱいを通り越して苦痛すら覚える。
原題は「The Great American Novel」で、文字通りに訳せば「偉大なるアメリカの小説」こんなけったいなタイトルを付けた背景は主人二人の対談に詳しいが、このタイトルをつけた本書が世に出たのはウォーターゲート事件が起きた1973年。偉大なるアメリカにほころびが出始めた頃。村上春樹の「ある種、その幕引きとしてこういう作品をロスが書いたという意味は大きいですよね」というコメントに妙に説得力を感じる。

レビュー投稿日
2018年11月18日
読了日
2016年7月24日
本棚登録日
2018年11月18日
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