世にも危険な医療の世界史

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本棚登録 : 432
レビュー : 16
制作 : 福井 久美子 
strattonさん 本・雑誌   読み終わった 

かつては常識とされていたが、現代の技術に照らし合わせてみると実はただのトンデモ医療に過ぎなかったもの。こうしたものをこれでもかというくらい集めた一冊。
大量出血にはブランデーを注射し、梅毒患者は水銀風呂につけ、溺れて意識を失ったらタバコの煙を尻に吹き込み、頭痛にはこめかみに焼きごてを押しあてる。そして、万病の原因は血液が多すぎることゆえ、ヒルを肛門に突っ込んで内臓から血を吸わせる。
なんだかもう冗談のようで、最初は笑ってしまったけれど、よくよく考えると笑えなくなってくる。ふと周りを見渡すと、今この現代においても、かなりおかしなことが起きている気がする。
本書でも紹介されている通り、エセ科学に基づいた医療法はなくなるどころか、現代でもカルト的に生き残っているし、この国では滅菌効果だか抗菌仕様だか、キレイ好きを奨励する風潮ができあがっている。(思うに、この風潮はウオシュレットから始まったものではないかと) キレイにすることが本当にいいことなのか、人間自身(より正確に言えば、日本人自身)の抗菌能力が低下するのではないか、などと考えたのは今に始まったことではないのだけれど、本書を読んでその思いをますます強くした。100年後に本書と同様の書物が出されて、「キレイ好きな日本人の病弱性」という一章が入っていても何ら不思議ではない気がする。(もっとも、この滅菌効果やら抗菌仕様やらがきちんと機能していることが大前提であるのは言うまでもない。)

レビュー投稿日
2019年6月8日
読了日
2019年5月23日
本棚登録日
2019年5月1日
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