辞書を編む (光文社新書)

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本棚登録 : 765
レビュー : 78
著者 :
strattonさん 本・雑誌   読み終わった 

『三省堂国語辞典』の編集委員が書いた一冊。国語辞典を編集するプロセスに合わせて章を立て、それぞれ実例を挙げながら解説する。昨年12月に出版された『三省堂国語辞典第7版』の編集作業と並行して書かれただけあって、臨場感たっぷりだ。
著者によれば、辞書の編集とは、1.編集方針を立て、2.用例を採集し、3.取捨選択をして、4.語釈を書く、5.最後に手入れをする、というステップをふむのだそうだ。どのステップも面白いが、中でも語釈を書くところがいい。「右」の語釈を「南を向いた時の西にあたる方」としても「南」の語釈を「日の出る方に向かって右の方」としてしまうと循環論法に陥る。そこで「アナログ時計の文字盤に向かって一時から五時までの表示のある側」という語釈が登場し、さらに「この辞書を開いて読むときの偶数ページのある側」へと進化する。しかし、それでも満足せず、「『一』の字の書き終わりの方。『リ』の字の線の長い方」にまで至る。あくなき探究心と言葉への熱い想いを持つ辞書の編集委員たちに、敬意を表さずにはいられない。
それにしても、こんな面白い新書が4月に出ていたとは。新書の新刊はだいたい書店でチェックするのが常なんだが、この本は見落としていた。

レビュー投稿日
2018年11月18日
読了日
2014年1月7日
本棚登録日
2018年11月18日
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