
前作『安楽死を遂げるまで』の続編。期せずして書かれた続編。
前作が世に出たのが2017年暮れ。50代の日本人女性がそれを読んでスイスでの安楽死を考え、著者にメールを送ったのが2018年8月。そして安楽死を実行に移したのが同年11月。8月からメールでやり取りを重ねて、実際に会って、この女性の考えと人柄を知るにつれ、何か残さなければという思いで書かざるを得なくなった結果が、本書なんだろう。
安楽死をテーマにしているものの、著者は前作同様安楽死を肯定しているわけではなく、懐疑的な立場を取っている。それだけに、安楽死を決意してスイスに飛ぶことを望む人を目の前にした時の心境はいかに…著者は吐露する。「私の行動は正しかったのか。あの本を書かなければ、彼女はどうなっていただろうか。死期を早める行為を実現させたのは、私かもしれない。」
重い。重すぎてワタシには到底持ちこたえられない。仮に著者と同じ状況に置かれたとしても、それを書物にして世に出そうなどとは絶対に思わない。ワタシの神経はもっと細くて弱い。太く強くないとジャーナリストにはなれないというのなら、ワタシは喜んでならないことを選ぶ。(それ以前の問題で、なれないことはさておき。)
- レビュー投稿日
- 2019年8月4日
- 読了日
- 2019年6月29日
- 本棚登録日
- 2019年6月29日
『安楽死を遂げた日本人』のレビューへのコメント
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