「センチメンタル・セクスアリス」が大変気に入っていたので日和佐でのスピンオフも期待していました。
前作では、かなりタラシでいい加減で印象が悪かったんでどんな風に掘り下げてあるのかなと思ったら、結構重い過去があって胸にずっしりきました。
ストーリー自体は憧れの年上オトコの日和佐をずっと好きだった千夏史のピュアな視点で描かれているので、なかなか成就しない片想いに切なくなったり、甘酸っぱい気分にさせられたりします。
自転車置き場での回想シーンがいいです。読み終わってみると、学生時代の日和佐と由多夏の素直に恋と呼べなかった熱い気持ちがすごくよく表現されていて胸に迫ります。コインがね、泣けます。やられます。
そしてそういうのひっくるめて日和佐のことを好きになってしまった千夏史の「子供」と言われたくない臆病な想いが健気。
一方の日和佐は、だれかれかまうことなく寝ることで過去の恋を忘れようとしているけど、逃げているだけで決別しきっていません。
日和佐って、オトナかと思ってたらずい分ダメな奴だったのは、そのあたりに原因があったんですね。この作品で納得しました。
ちゃんと過去に向き合うことができて、やっと千夏史との恋愛にも踏み出せたラストはとてもよかったなぁとしみじみ感動できます。
やっぱり、こういうの書かせたら砂原センセはうまい。
Hシーンも最初と2回目では二人の距離がはっきり変化しているのが感じられます。はじめのは日和佐の苦しい気持ちが混じった言葉攻めだったんで、せつなかったけど。2度目のは甘かった。
この話だけ読むよりも、「センチメンタル・セクスアリス」とセットで読んだ方がおすすめです。
- 感想投稿日 : 2011年10月4日
- 読了日 : 2011年10月4日
- 本棚登録日 : 2011年10月4日
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