表紙がとてもステキです。
「甘い水」の続編。その後の二人の関係に変化があったのかどうか、気になります。
あけすけな物言いで、Hに対する意識にロマンもへったくれもない遠藤でしたが、相変わらずでしたね。肉親を悲惨な形で失い、大切なものを持たないように生きてきた遠藤の心情が今回丁寧に描かれていて、胸をつかれました。
刹那的な快楽だけを追って、深入りすることを避けていた遠藤でしたが、大型わんこな神宮寺にほだされているのがよくわかります。
もし、生きることも死ぬことも自分で選べない状態になれば、という極限での自分自身を神宮寺に託そうと思う気持ちこそが、彼への愛情と信頼の証だというのが伝わってきます。
ひなびた旅館で起きた人質立てこもり事件が今回のクライマックスでした。
事件的には、そこそこ?で犯人の人物像や緊迫感は今ひとつな気がしましたしたが、現場突入前の遠藤と神宮寺の会話には、決意が感じられて胸が熱くなりました…エロじゃなくて、お仕事萌えしてしまった!男っぽいところがすごくツボでした。
周囲がまた相変わらず雰囲気を盛り上げてくれました。宮津がいい味だしてます。そして、食えないオトコの篠口!つかみどころがない感じが迫力あります。そして、遠藤同様抱えているものがあります。なので、同病相哀れむところが、遠藤を引かせてしまう一因になってしまったような。篠口、とても気になる男です。
書き下ろしは温泉新婚旅行編。色気は…?微妙。でも、そうでないともう遠藤らしくない気がしてきた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
かわい有美子
- 感想投稿日 : 2012年5月31日
- 読了日 : 2012年5月31日
- 本棚登録日 : 2012年5月31日
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