情熱シリーズの東原と貴史のスピンオフです。ドラマCDで展開していたシナリオを小説化したそうですが、聴いていませんでした。なので、こちらを読んだらCDがとても気になってきました。
893の若頭×弁護士。
強引で横暴な東原相手でも、鼻っ柱が強くて決してひるんだりしない貴史。控えめな中にも痛烈な言動が、やっぱり弁護士だなと思わせてとても爽快感があります。
そんな彼も、東原にすげなくされることで、さすがに気持ちが浮き沈みしてしまいます。飽きられたのかもしれないからこれ以上期待してはいけない、と貴史を自戒するまでにさせてしまった東原が悪いですよね。
しかし、東原が遠ざけるような態度を取った理由がある事件がきっかけでわかることに。
東原、ものすごいヤキモチを焼きます。マジです。
なんて不器用なんでしょうかwあんなに屈強で恐いものなしの東原も、愛する者にだけは弱いのです。思っていた以上に貴史が自分の中で大切な存在となっていたんですよね。
守るものができてしまった東原は、組についても腹をくくる決意をするんですが。
ぶっきらぼうな愛の告白が、東原らしくてカッコいいです。最高でした。一つ一つの態度に男の色気が溢れている人です。若頭としての度量も、今回はっきり見えました。
ああ、よかったな~と思ったら、この後なんですよね…二人がハッピーになりかけたところで出てきた宗親!シャレにならない「固めの儀式」を東原に持ちかけてきます。
敵対する成田と宗親が結託するのは避けたい東原は、受けて立つことに。
宗親は計算高くてしゃあしゃあとしていて、やはり893の血は争えない、というところを見せつけてくる男です。
ところが今回、なんだかんだと東原にちょっかい出して、織や貴史を悲しませまくったバチが宗親に当たってしまうんです。
天罰が下るあたりは思いっきり溜飲が下がるのですが、それを通り越してやや不憫になってしまいました。
こんな優しさも思いやりもない男のために、損得抜きで側にいてくれたのは、織だけだったのに、それすらもわからなかった浅はかさが残念です。
その上、すがる相手が結局東原しかいなかったことも情けないなと…
それでも、織への気持ちを認めることができたのが手遅れにならなくてよかったと思えます。これを教訓にして、どうぞ改心してください…
とても893っぽいカラーが全面に押し出された話になっていたと思います。非道で、卑怯で、非常識。
そこから生まれる愛にはまさに「命を張って」という表現がぴったりで、萌えました。
エロ的にも、濃厚で愛がダダ漏れで堪能できます。
- 感想投稿日 : 2013年3月8日
- 読了日 : 2013年3月8日
- 本棚登録日 : 2013年3月8日
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