食わず嫌いみたいな、絵柄がちょっと苦手だったという理由で手に取っていなかったんですが、大変損していました…
後悔。
初コミックスとは思えない画力とストーリーで、ベテラン作家さんのような味わいがあります。
物語の構成がすごく上手くて、前半のデリケートで傷つきやすくも輝いていた学園生活と、後半の気持ちのすれ違いからの爛れた関係性との対比に鳥肌もので萌えました。
性格も過ごしてきた環境も正反対の稜と陽平は高校時代お互いに惹かれ合いますが、ある事件をきっかけに二人の関係が大きく変わってしまいます。
地味健気の陽平が光属性俺様な稜のキラキラにやられるのは頷けるし、稜も自分の影響で素直にどんどん変わっていく陽平のことをかわいいと思うようになっていくのも、とてもわかる気がしました。
「共依存」もテーマの一つとあとがきにあったけど、まさにそこから始まる愛の形だったな~と思いました。
#03では、二人の関係が主従のようになってしまったのか?稜は陽平を恨んでいるのか…?と、最初心配させられるような状況でしたが、そうじゃなくてほっとさせられました。すっかりHがうまくなった陽平に、そんなに手荒く調教されたのか⁉と憤ったり、鼻息荒くなったり(笑)したけど。
稜が陽平に対して下手くそな愛情表現しかできないことのもどかしさや、歪んだ独占欲を抱えていることを知ると、彼のことを酷いとか言えなくて。
二人とも愛し合ってて相思相愛なのに、とても誤解が大きすぎて胸が痛かったです。
でも、稜の同僚ホストの涼にめちゃくちゃジェラってたシーンで本心がダダ漏れになっていて、そこから嘘をついていたことを一気に告白して、ああ稜はほんとに陽平を手放したくなかったんだな、好きなんだなってはっきりと伝わってきました。
さすがにネガティブ思考な陽平にもしっかり伝わったはず。自分から気持ちを伝えようと覚醒して、危なげながらも幸せの方向を見つけた陽平に拍手でした。
描きおろしがエロくて、でもラブラブでうるっとさせられてお気に入りです。
何度でも読み返したくなる秀作だと思いました。
- 感想投稿日 : 2020年6月23日
- 読了日 : 2020年6月23日
- 本棚登録日 : 2020年6月23日
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