2025年4月24日
- はじめてのPHP エンジニア入門編 (TECHNICAL MASTER 102)
- 宇谷有史
- 秀和システム / 2024年12月3日発売
- 本 / 本
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# ソフトウェアエンジニアリングで最も大切なことを、PHPを通じて学べる一冊
## 面白かったところ
* 開発環境構築に手間がかからないのは本当によい
* この一冊をマスタすれば、まずまずPHPの開発業務における天爾遠波は学べると思った
* PHPのシンタックスやフレームワークの使い方に留まらず、CI/CDないしはリファクタリングなど実際に仕事するうえで大切な概念まで学べる点
## 微妙だったところ
- 「ボブおじさん」という通称がサラッと使われていたが、書籍なので正式名称を呼称したほうが敬意を払ってる感があって良かったのではと思った。
## 感想
プログラミング言語は、言語標準のライブラリや関数の説明をしたところで「公式ドキュメントが正しい」になってしまう。
敢えて書籍で説明しなくとも無料のブログや生成AIに教えを請う事ができるから、本当に執筆が大変だったと思う。
だからこそ現場で必要とされる叡智の集合というテーマは切り離せなかっただろうし、現場で培った先人の知恵みたいな概念が書かれていて本当に良かった。
自分は特に、Section. 12-04の「コードレビュー」の話が最も良かった。コード技術の話ではないんだけど、レビューにより合意を取るためのプロセスや姿勢は、チームで仕事をするうえで多くの人間がぶつかる壁だろう。
* 変更はチームのものであること
* 質問を歓迎し、誠実に説明する心構えを持つこと
* 経験が浅いことを言い訳にしないこと
自分も学ぶことが多くあった。
PHPのことを復習するつもりで読んだこの本は、他の言語で飯を食っている戦友たちにも布教したい一冊である。
2025年2月11日
- 間違いだらけの洗濯術 日本一の洗濯屋が教える
- 洗濯ブラザーズ
- アスコム / 2019年10月26日発売
- 本 / 本
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# 洗濯にも科学的な技術が存在し、ドラム式洗濯機はその対極の存在である
## 読んだ本
[イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」 by 安宅和人](https://amzn.to/402GC9O)
## 面白かったところ
- 洗濯にも技術がある。しかも日本は縦型洗濯機がいいらしいという知見
- 汚れを落とす、適切に乾かすために解くべき問題に対してのアプローチが様々
- 全自動が最適解ではないことの衝撃
## 微妙だったところ
- 特になし
## 感想
洗濯なんて洗濯機を回して干せばOKって思ってたけどそうじゃないらしい。
よく考えてみればわかるんだが、一子相伝の謎の洗濯技術は怪しさ満点である。
ふわっとした、かーさん・ばーちゃんのノリで紡がれた手法に過ぎない。
汚れを浮かすのは泡だから、プレウォッシュしたほうがいい。
汚れを洗い落とすのは水だから、水量は多いほうがいい。
乾かすためには温度と湿度が管理された空間のほうがいいから、狭い部屋で行ったほうがいい。
仕上がり柔らかさを担保するためには、脱水の時間を調整するほうがよい。
となると柔軟剤は必要ではなくなり、洗濯乾燥メニューも必要なくなる。一歩上の仕上がりは、衣類によって技術を使える縦型ドラム式洗濯機が優勢となる。
めちゃくちゃおもしろいとなっているが、果たして洗濯にかけるコストがどれだけあるのかと言うのが昨今の課題である。
`完璧な仕上がりの衣服`vs`洗濯乾燥機にぶち込んだ衣服`
これはいつか検証してみたい試み。
2025年1月21日
# 運を手で掴むような、ふわっとしていて、でも確かな利他の話
## 面白かったところ
- 「gift」に「贈り物」と「毒」という概念があり面白かった
- 贈与と与格の考え方と、時間軸を交えた偶然と必然の関係性が面白い
## 微妙だったところ
- 抽象的、空想的な例が多かった点
## 感想
歴史的名著『利己的な遺伝子』が代表されるように、利己という言葉はシンプルでわかりやすい。自分の、自分による、自分の利益をはかる行為である。
では利他とはなにか?本当に他が為に、己の下心無しではかる行為とは存在するのか?そんな疑問を抱きつつ、文字を追い進めた。
つまるところ利他とは、「他から与えられたものでありながら、時間経過とともに機能するもの」という感想を抱いた。
これはまさにジョジョ8部『ジョジョリオン』で最も重要な概念「決してこちらから追うことはできない。追わせるのは良い」というシーンと似ているなと感慨深くなった。
こちらから望み、支配や所有・統御にまで及んでしまったものは明らかに「利己」である。そうじゃなくて、どこかのタイミングで現れたものや気づきたときに、掴み取ったり拾い上げたりすることを「利他」というのだろう。
少なからず自分にもそのような体験があった。こうしてわかりやすく言語化されて文字面で対面することにとてもありがたく思う。
一歩間違えばやばい思想なのかもしれんないが、ヤバいかどうかはビブリオバトルでもして確かめてみることにする。
2024年10月14日
- アプレンティスシップ・パターン 徒弟制度に学ぶ熟練技術者の技と心得
- デイブフーバー
- オライリージャパン / 2010年7月6日発売
- 本 / 本
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# 素人から玄人まで裾野が広い、技術職向けの自己啓発本
## 面白かったところ
* 仕事人として、職人として必要な考えや骨太な哲学がサラッと読み込める点。
* 引用されている、約されている言葉の感じがイイ。
## 微妙だったところ
- 原著からそうかもしれないが、直接的な言い回しじゃなくて否定が入りがちな表現が多く読みづらさはある。
## 感想
日本の得意とする徒弟制度とは違い、中世の専門技能モデルを題材にした一冊。
アプレンティス、ジャーニーマン、熟練職人という3つの言葉はあるが、この3つの言葉はそれほど意味を成さないのだろうという感想。
「無知をさらけ出す」ことや「白帯」「カップを空にする」という言葉の奥に広がる哲学を積み重ね、理解を深めていく過程こそに意味があると解釈した。
「今よりもっと良いものを、早く作るために必要なマインドセット」や「Craft over Art(芸術より技芸)」などの概念は、昨今のアジャイル・スクラムの価値観と通づる物があって、今読んでも遜色ない。
新しいものと向き合うときは、無知をさらけ出す気持ちで、白帯を締めて、コップを空にするように心がけたい。初心に帰ったような、気持ちになれる一冊。
2025年2月1日
- 経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて
- 山崎元
- Gakken / 2024年2月15日発売
- 本 / 本
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# 若者に向けた、資本主義社会を駆け抜けるための羅針盤
## 面白かったところ
- 昭和・平成・令和という変遷を見たうえでの金融資産の取り扱い方と攻略方法が書かれていてよい
- 経済評論家とは思えない、男社会を生き抜くための小技がふんだんに書かれていて面白い
- 最後に書かれた御子息様へ宛てた文章が、ずば抜けて素晴らしい
## 微妙だったところ
- 特になし
## 感想
経済評論家としてではなく、物書きとしての山崎元さんが好きだった。だからこそ最後の一冊を手に取ったわけだが、なかなかに良いことが書いてあった。
今際の際の著書なのでガン保険のコストとリスクに関する話題が多いのかと見当していたが全くそんなことなかった。
むしろ本当に御子息様に向けられた本で大変読みやすかった。フォントや行間のスペースまで気を配られており誰でも読みやすいだろう。
現金としての金融資産を必要最低限+αを預金し、あとは全世界インデックスに回す投資手法は間違いなく外さない基本の形だと読んでいて思った。
そして、報酬としては現金ではなく株式型のほうが跳ね方が違うというのも腑に落ちた。現金で受け取らないことのリスクとしては、せいぜい自分が差し出した労働力が無に帰す程度だろう。コストも自分の労働力、もしくは投資してもいいだけの余剰資金である。上場ゴールを目指している会社に、少しの現金とストックオプションを報酬としてもらう働き方は、経営者だけじゃなくてもできるサバイバル術だ。
だからといって、金が必ずしも人生の豊かさと紐づくとは限らないとも明言しており、抜け目がないなと敬服擂るばかりであった。
本当に最後の手紙は素晴らしいものであった。
2024年7月31日
- 銀行マンの凄すぎる掟 クソ環境サバイバル術
- 猫山課長
- さくら舎 / 2023年10月5日発売
- 本 / 本
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# 銀行マンとして生き抜くためのTipsとその生態系
## 面白かったところ
- 別の世界線で自分が歩むかもしれなかった、世界が文章を通して想像できて良かった
- 「世界を変えられないから、自分を、周りを小さく変えていく」という実にミニマムな思考がとても勉強になった
- 不機嫌おじさんの生存戦略がとても面白かった
## 微妙だったところ
- 特になし
## 感想
リアル過ぎる銀行の中の人の話。特に面白かった内容が2つあって、一つが不機嫌おじさんの生存戦略。不機嫌な人の周りは、この不機嫌おじさんの所為で不利益を被っているが、当の本人にはどんなメリットが有るのか?
それは、「不機嫌であるからこそ周りから配慮される利益を享受している」点だという。なるほど。自分が不機嫌であることに掛かるコストは低くて周りが気を遣ってくれるメリットは確かにある。この不機嫌戦略が罷り通るのは、終身雇用の慣習があるからだと著者は主張していて、完全に理解した。
自分が働いている職場にこんな面倒な人はいないし、居たとしたらすぐに追放されるだろう。それは人材の流通が激しい業界であり、本当に実力のある人が評価される世界だからだろう。不機嫌でいられるのは、会社が不機嫌マンに給与を支払ってくれる環境に問題があると言わざるを得ないだろう。
もう一つは、「自己成長としての胡麻擂り戦略」である。たまに接触する上司に対して、やけに胡麻擂りをする人間は存在する。彼らをよく思わない人も多々いるだろうが、胡麻擂りにも道があるそうだ。
胡麻擂りをするには、胡麻を選ぶ必要があり、胡麻を擂る技術が必要だ。上司に対してどんな話(胡麻)をして、自分が使える人間だとどのように説明するか(擂る技術)が求められる。まともな上司は胡麻擂りを通じて、数字以外の営業マンとしての力を測ることができるのだろう。
銀行の中の人ということもあるのだろうが、みんながしない競争を独占市場で行うという視点でみるとかなり優位な戦いと言える。
自分と無縁な本にこそ、このような回り回って使えそうな手練手管が詰まっていて大変勉強になる。
2024年7月30日
- 売上を、減らそう。たどりついたのは業績至上主義からの解放
- 中村朱美
- ライツ社 / 2019年6月14日発売
- 本 / 本
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# 売上以外を売り上げる、脱帽の戦略
## 面白かったところ
- 売上を捨てて、上質なサービスを追求する選択と集中の戦略が気持ちよかった
- 「会社は明日の責任を、従業員は今日の責任を」というフレーズが明瞭でとてもいい
## 微妙だったところ
- 飲食店だけが売上の柱ではないという点が少し残念だった
## 感想
資本主義社会の根幹を成す「売上」を捨てる。経営の第一目標を捨ててまで何を追い求めるのか。
そんな思いで本を手に取ったが、本当に諦めたのは売上だけだった。
裏を返せば売上以外は捨てていないわけで、ちゃんとマーケットインの市場調査や他社は真似できない商品価値向上のテクニックを惜しみなく本に書いてあったのは自信の現れだと思った。
原価率をとことん向上させるために精肉は使わないとか、一日100杯売り上げるために不断の努力を注いでいる詳細などはとても勉強になった。
売上以外で追求するものって、考えてみると業種やその会社の色・思想がとことん出るものだから、個人的にはめちゃくちゃ好きなカテゴリだったためスラスラ読めた。
ただ、社長が矢面に立って宣伝媒体になったり、店舗の母体である会社の売上は不動産収益も参入しているという事実は再現性の難しさを感じた。
一方で、特別な人間を採用しない戦略や、誰でもできるような仕組みづくりは飲食店ならではのTipsで面白かった。
2024年5月13日
- 疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた (ブルーバックス)
- 近藤一博
- 講談社 / 2023年12月14日発売
- 本 / 本
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# 疲れとは、何なのか。完全に理解できる一冊
## 面白かったところ
- 「疲れるとヘルペスが出る」→「疲労感を計測できる」という発想の転換がシビれた
- 疲労と疲労感が違うという、当たり前そうで実は全く異なるものを改めて知れた点
## 微妙だったところ
- 著者がお医者様という事もあって、新書なのに専門性が高く、精読できなかった点
## 感想
自分の中で、疲労を感覚的にフィードバックされたものが疲労感という解釈をした。運動会の次の日は、筋肉が炎症を起こすことで筋肉痛というフィードバックが存在する。こんな感じである。
この概念を抽象化すると、「疲労」と「疲労感」という解釈に繋がる。そしてこの疲労感は様々なものによって濁される。
所謂、強度のストレスやカフェイン、リ◯ビタンDなどの飲料剤。そしてワーカホリック的なフロー状態である。その疲労を回復するためには、直接的な回復方法である睡眠はもちろんのこと、回復力を向上させるための軽い運動があると良いそうだ。
確かに、30分程度散歩したところで次の日に疲労が残る人はそうそういないだろう。散歩による疲労の蓄積が向上された疲労回復力によって補われたと考えるととても良い。
自分がもし、医学に興味を持つことがあったら、また読みたい一冊。
2024年7月30日
- 脱税の世界史 (宝島社新書 630)
- 大村大次郎
- 宝島社 / 2021年12月10日発売
- 本 / 本
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# 国と税金の関係から除く、文明の栄枯盛衰
## 面白かったところ
* 古代文明における帝国が滅びる理由の一つを知れること
* 富豪と貧民のバランスが崩れると国が潰える
* 賢い人ほど、税金のことを考えている
## 微妙だったところ
* 世界史のはずなのに、引用が分かりづらく信憑性に欠ける
* ビートルズから古代文明まで、世界史の規模感の統一感がない
## 感想
この書にかかれていることがすべて事実だと仮定すると、時代を問わずカネを稼いでいるヒト(法人も含む)ほど税金対策をして戦っている事がわかった。
GAFAを始めとする外資系企業だけでなく、日経の大企業もおそらく対策を講じているだろう。
こういう切り口で世界史の窓を覗くことは、とてもおもしろかった。
2023年10月14日
- AWS Lambda実践ガイド 第2版 アーキテクチャとイベント駆動型プログラミング (impress top gear)
- 大澤文孝
- インプレス / 2022年3月3日発売
- 本 / 本
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2023年10月14日
- チームトポロジー
- マシュー・スケルトン
- 日本能率協会マネジメントセンター / 2021年12月1日発売
- 本 / 本
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# 多方面からプロダクトに立ち向かうための、戦略的組織論
## 面白かったところ
- 組織とソフトウェアアーキテクチャは密接に関わり合っており、人こそがソフトウェアであり組織を良くも悪くもすることがわかった
- 自分が管轄外のプロダクトには適切な境界線(interface)を切って、異なる概念を持ち込まない・持ち込ませない制約があるとイイことを改めて学べた点
## 微妙だったところ
- 引用がとても多く、著者自身の熱い思いがあまりなかった点。チームトポロジーのフレームワークはすごいしやってみる価値はあるんだけど、イマイチ引き込まれれる何かがなかった。
## 感想
現場での課題図書として上がっていた一冊。なにもないところから著者の真意を汲み取ることは難しいだろうなとは思いつつ、現場での組織構成を擬えて見るとかなりイメージが進んだ。
人間一人の認知負荷にも限界があり、チームのそれにも限界がある。この前提を踏まえたうえで、自チームで担当すること・しないことのドメイン境界を切ってinterfaceでハーネスをかける。
「〇〇チームは▲▲機能の担当」という境界を Package by Featureで区切る。多機能とやり取りするときは必ずInterfaceを切って、他チームとコミュニケーションを図る。
なるほど。今やっている僕らの軌跡はこの本からやってきたんだと腑に落ちた。
2023年12月23日
- フロントエンド開発のためのテスト入門 今からでも知っておきたい自動テスト戦略の必須知識
- 吉井健文
- 翔泳社 / 2023年4月24日発売
- 本 / 本
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# ナウなフロントエンドのテストの基本が学べる一冊
## 面白かったところ
- reactの方のアプリケーションは、キツめのlintルールやStorybookへのコンポーネント切り出しがしやすかった点
- アサーション関数やモックのテクニックなど、公式ドキュメントとは別の角度で書かれていたのは親切だと思った
- Storybookのplay関数にインタラクションテストを移す際、様々なテクニックが必要で面白かった
## 微妙だったところ
- next.jsのアプリケーションの型解決が難しかった
## 感想
現実問題、テストするかどうかとは別の問題で、テストができるような設計でコードを書ける技術が求められている。
テストは永久に必要かどうかはさておき、書けたほうがエンジニアとして前線に立てる説はかなり濃厚である。そんなフロント何もわからんエンジニアに投げられた一冊としては、申し分ないクオリティかと思う。
JestだろうがVitestだろうが、Storybookのインタラクションテストだろうが、検証・担保したいものの書き方や考え方はそこまで変わらない。
だからこそこの本を踏み台にして、該当のコンポーネントで担保すべき価値を考えながら写経することはとても意味があると振り返る。
ただ、next.jsのアプリケーションの型パズル解決とE2Eのメンテナンスがめんどくさすぎて途中で放棄した。
気が向いたら、フロントの型パズル力もあげたい。
2024年4月2日
- 遅読家のための読書術 情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣
- 印南敦史
- 株式会社ダイヤモンド社 / 2016年2月25日発売
- 本 / 本
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# 遅読の呪縛に、「フロー・リーディング」の救済を
## 面白かったところ
- 実際にフローリーディングを当書で試せること
## 微妙だったところ
特になし
## 感想
会社の同僚推薦の一冊。
自分もかなりの遅読家で、一言一句舐め回すように、良いフレーズを自分の魂に鎮めるように本を読むタイプである。
だからこそ、スマホでニュースを眺める感じで本を読むスタイルは衝撃的だった。
実際に当書も1時間程度で読みきった。
率直な感想としては、一冊を読み切ったほうが全体の纏まりを掴んで主旨を捉えられるため、より筆者が伝えたいことを理解できると思った。
積読が減らなくて困っていたから、本当に救済された気分だ。
2024年2月13日
- 積読こそが完全な読書術である
- 永田希
- イースト・プレス / 2020年4月17日発売
- 本 / 本
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# 積読とは世界に一つだけのブックマーク群であり、情報テリトリーである
## 面白かったところ
- 積読の期限や歴史、名著からの引用を元にした論理展開は凄まじかった
## 微妙だったところ
- 各章の話の飛び方が尋常じゃなく、例えも高尚なものばかりで小難しい
- 積読に対するとてもわかり易い、後ろめたい感情の1つが「身銭を切って購入したものだから」というものがあると思うが、論及がなかった点
## 感想
「情報の濁流」という表現をなされていたように、我々は堰が切られた直後の流れような時代を生きている。
情報の良し悪しを選別し、自分だけの確かな情報リソース群(ビオトープ)を作成・管理することを推奨していおり、特に『タイミングが来るまで「積む」』という考えは完全に同意した。
個人的な見解として、本は情報の詳細であり、本棚はデータベースである。脳はインデックスの役割を果たす。故に、興味があって積んである本もすでに、データベースやインデックスとしての役割を果たしている。
本当に必要になったタイミングでその書物を手に取り、必要度合いに合わせて読書のレベルを上げていく。
積読が完全な読書かはわからないが、必要なタイミングで質の高い情報にアクセスを保有している状態を作る意見に対しては大賛成である。
2023年10月14日