林芙美子紀行集 下駄で歩いた巴里 (岩波文庫)

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本棚登録 : 194
レビュー : 16
著者 :
制作 : 立松和平 
抽斗さん 遠くへ、もっと近くへ   読み終わった 

まず何より、この時代に林芙美子が女一人で鉄道でロンドンまで行った、という事実に驚く。
なんでも見ようという外へ外へ向かう目と、どこへでも行けるという内側へ内側への切なさがないまぜになっていて、読んでいて一人の旅人の小さな姿が浮かんでくる。

当時の情勢の中で、彼女は一人のただの旅人。しかしその旅人は、自分の足で行動し、自分の目で物事をとらえる。
それは途方もないタフさを必要とすることだと思うし、同時に圧倒的な自由だなとも思う。
芙美子が望んでいるのは、強い自分と不安定な自由? その中で生きていくという覚悟を、彼女は自分に求めて旅の中で少しずつ確かめているのかもしれない。

楽天的でありながら、旅を求める彼女の切実さが詰まっているように感じられた。林芙美子の著作を読んでみたら、また印象が変わるだろうか?

レビュー投稿日
2014年4月14日
読了日
2014年3月16日
本棚登録日
2014年3月16日
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