(014)本 (百年文庫)

  • ポプラ社 (2010年10月12日発売)
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本棚登録 : 111
感想 : 24
3

島木健作『煙』
ひりひりする悲しさ。
自分の頼りなさ、おぼつかなさが、身にしみて痛い。自分が役立たずだということを、淡々と描く筆致が○。

ユザンヌ『シジスモンの遺産』
笑わせていただきました。そういう意味で「傑作!」

佐藤春夫『帰去来』
一文がながーい文章に、飄々と漂うユーモア。
とぼけたふりして、あっさりさよなら。


3作異なった味わいで面白かった。
ただ、この百年文庫はいったい誰が編集しているのだろう? 編者は誰?
せっかく『本』というテーマで編んであるのだから、何か一言くらいこの『本』という一冊について言及があっていいのではないだろうか。

アンソロジーは、編者の意図を読むのも読者の楽しみの一つだと思うので、非常にもったいないと思う。もったいないというか、惜しい、かな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 誰かのためじゃない
感想投稿日 : 2012年2月2日
読了日 : 2012年2月2日
本棚登録日 : 2012年2月2日

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