母親と息子の関係を軸に、日本社会の特性について考察した本。
母親は、その能力を社会に向けて発揮するのではなく、息子の教育を通じて、息子が社会で役立つようにする役割を担っている、と考察し、これが日本における子育ての特徴であり、結果として、母親と息子の分離が起こらず、個人の確立が遅れている、というのがこの本の主張かと思います。
主張したいことはほぼほぼ理解できるのですが、説明がわかりにくい部分が多々ありましたし、「ホンマかいな?」と思う部分も少なくありませんでした。
あとがきによると、編集者が、著者の文章の手直しにかなり苦労したようです。
自分の受けた印象だと、「考察が客観性に欠ける点、ロジックが不十分な点、前提の説明が不十分な点を、どう手直しするか」が、編集者が苦労したポイントではないかと思います。
言葉遣いは丁寧なのですが、内容が丁寧でないのが、この本の欠点かと。
著者の持ち味を活かし切れておらず、もったいない本ですが、きっと、このレベルまでもってくるのが、編集者の限界なのだろう、とも思っています。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
図書館で借りた本
- 感想投稿日 : 2021年4月4日
- 読了日 : 2021年4月4日
- 本棚登録日 : 2021年4月4日
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