乙女の密告

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1511
感想 : 362
4

2010年上期:第143回芥川賞受賞作品。
言葉遣いや文章に、くすっとするユーモアがあって、とても読みやすい本だと思います。

外国語大学のスピーチ・ゼミを舞台に、コンテストを目指す女子大生達が、噂話で他者を排除するゴタゴタと、その標的になることを怖れ、悩み、自らのアイデンティティに深く入り込んでいく主人公・みか子の物語。

コンテスト課題である、みか子の大好きなアンネ・フランクの手記『ヘト アハテルハイス』の暗唱が、物語の大きなキーワードになっています。アンネのユダヤ人であることに対する苦悩と表明が、そのままみか子の心の動きと重なって…うーん、唸ってしまいます。

物語の緊張感が最高潮に達するコンテストでの暗唱場面。「みか子はこの言葉に出会わなければならなかった。」そして、どの単語よりも丁寧に発音されるべき「アンネ・フランク」という名前。

とても好みの作品です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年12月25日
読了日 : 2016年12月24日
本棚登録日 : 2016年12月24日

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