歴史・化学ものだと思ったら、中学生を主人公にした物語だったのに驚いた。
夏休み、科学クラブの先生のもとでこれまで作られてきた様々な青を作ることになった中学生二人。
口絵ページの写真を見ながら、ここからこういうものができるのか、と一緒にわくわくできた。
中心は青を作ることだが、10代のもどかしさなども織り込まれていて良い。
物語にすることで、親近感が湧いて読みやすかった。

2025年4月24日

読書状況 読み終わった [2025年4月24日]

面白かった!読んでるだけでアドレナリン出ちゃう!
最高の腕利きスパイ、17。
冒頭から大音量の効果音つき(私の脳内で)のアクションが繰り広げられ、そこに小粋な17のコメントがちょいちょい挟まるので、引き込まれずにはいられない。
ナンバーを得た歴代のスパイで唯一生き残り姿を消した16の殺害命令を受け、実行しようとする現在軸と並行して、17の過去も語られる。
ドライさとウエットさのバランスが絶妙!
裏にある大事は予想がつくものではあるのだけど、どう決着がつくのか気になって一気読みだった。
17はもちろん、周囲の人々の描き方もとても良い。
結末になるほど、と納得したのも束の間、解説によると続編があるのーーーー?!?!
このラストの後でいけますーーーー?!?!
気になるので、ぜひそちらも翻訳刊行してほしい。

2025年4月21日

読書状況 読み終わった [2025年4月21日]

読んでいる途中でTwitterなどで書かれたものと知り、納得。
その形が一番合っている。
話が変わってもトーンがずっと同じなので、間を置いてバラバラに読む方がいい。
何度も今年で30、という言葉が出ていて、その前後の読者が共感できる作品だろうと思う。
今の私には、肥大化した自意識を持て余しているこの感じ、面倒くさいけどちょっと可愛くすらある。
面倒くさいけど。
「大阪へ」と「大阪から」が良かった。

2025年4月18日

読書状況 読み終わった [2025年4月18日]

特集は少年詩。
座談会、論考、エッセイと盛りだくさん。
様々な詩人・詩集が挙げられていて、少年詩を読みたいとは思うのだけど、なかなかうまく出会えずにいえういる私にうってつけだった。
短編「じゃないほうのふたり」(高村有)、日本児童文学学校最優秀作品の「ユラユラ・フフフ」(いけだけい)もとても良く、何度も読み返したくなった。

2025年4月17日

読書状況 読み終わった [2025年4月17日]

子どもの話も人類学者の話も、具体的なエピソードが多く読みやすい。
冒険家とは異なる人類学者の立ち位置の話が特に興味深かった。

2025年4月15日

読書状況 読み終わった [2025年4月15日]

目立たないでいたいのに、匿名で流された学校の「かわいい子ランキング」で一位にされてしまった子、常に全て一番であるように努力しているのに二位にされた子、一位の子の親友でランク外にされた子の3人を中心にした物語。
家庭環境も考え方も異なる女の子たちは、時にぶつかりながらランキングを作った犯人を探すのだけど、次第に自分自身も周囲の人も、これまで見えなかった/見ようとしなかったところに気づいていく。
終盤の展開が予想外、かつ見事で胸に沁みた。
登場人物が多面的で、男の子たちについても良い悪いだけで括っていないところもとても良い。
10代の子に読んでほしい良作。

2025年4月14日

読書状況 読み終わった [2025年4月14日]

身構えていた難しさはなく、すいすいと読めた(訳も良かった)。
立つところの違う二人なので、質問と回答をし合うことでそれぞれの意見が読者にもはっきりわかるのがまた良かった。
左派・リベラルはトランプやルペンを非難する前に省みる必要がある、というところは特に、その辺りの信条の人々にぜひ読んでほしい、私自身も気づいていなかった痛いところを突かれた気持ち(気づいていなかったことも含めて)。

2025年4月8日

読書状況 読み終わった [2025年4月8日]

感想は下巻で。

2025年4月7日

読書状況 読み終わった [2025年4月7日]

感想は下巻で。

2025年4月2日

読書状況 読み終わった [2025年4月2日]

9歳娘に勧めてもらったシリーズ。
雨が降り、床ではなく草の生えている本屋、ぽこぽこ生えて椅子の代わりになるキノコ、走り出すガラスの汽車……。
一つ一つを想像しながら読むのがとても楽しい。
丁寧な比喩がたくさんで、文章自体を読むのも楽しかった。
中盤からの展開は新鮮さもあってよかった。
続刊も読みたい。

2025年4月1日

読書状況 読み終わった [2025年4月1日]

コミュニケーションとは上手に喋ることではない、というところから始まる、若い世代から上の世代まで皆に通用するコミュニケーションのまさに「準備体操」。
言葉が関わる前の段階から、というのがユニークだと思ったのだけど、同時に納得もできた。
たくさんの体操が紹介されているので、やってみたいな。

2025年3月31日

読書状況 読み終わった [2025年3月31日]

アイヌの人々が現在どういう状況にあるのかを知りたいと思っていたので、ドンピシャな一冊だった。
どういう差別があるのか、どういう環境にいるのか、漫画と読みやすい文章で書かれていて、とてもわかりやすい。
他の属性のマイノリティへの差別にも通じるところも多く、それはそれとして心に刻むし、でもだからといってアイヌの人々に対してのことを他のことと一絡げにもしてはいけないと思う。
中学生くらいから充分読める内容なので、広く読まれてほしい。

2025年3月31日

読書状況 読み終わった [2025年3月31日]

立ち止まっていた二人の中学生が出会い、支え合いながら歩き出す姿を丁寧に描いた作品。
心情が細やかに書かれていて、二人が目の前で息をしているようだった。
出会いのきっかけがラジオなのがまた素敵!
金沢の風景も鮮やかで、心地よい風を感じる。
終盤の展開が意外性もありつつ粋で、胸が痺れた。
作者の眼差しの温かさに、読者もそっと背中を支えてもらっているような気持ちになれる。
色んな世代に読んでほしいけれど、やはり特に十代の子に手渡したくなる作品だった。

2025年3月28日

読書状況 読み終わった [2025年3月28日]

「雑食の蛸であるゆゑ太すぎる今年の足を皆畏れたり/梶原さい子」

東日本大震災を詠んだ作品を、「平時において研鑽された〈よい歌〉を生み出す技法や基準が、災害時において機能しなくなったとき、俳人/歌人はどのように句や歌を詠むのか。」という視点から見た評論。
背景も非常に丁寧に書かれており、とても真摯な評論だと思う。
俳句/短歌の評論としても、東日本大震災を考える一冊としても、読まれてほしい本。

「悼花火おおおお涙に声の追いつかず/五十嵐進
黒き袋は土のなきがら入れられて仮仮置き場に置かれてゐたり/本田一弘」

2025年3月27日

読書状況 読み終わった [2025年3月27日]

とてもわかりやすいので、広く読まれてほしい。
パレスチナで起きていることは、宗教対立ではない、ということ。
イスラエルが武器の性能をパレスチナで「デモンストレーション」し、各国がそれを見て購入を検討するなんて、どこまでグロテスクな話だろう。
虐殺も植民地主義も終わらせないと。

2025年3月24日

読書状況 読み終わった [2025年3月24日]

かこさとしさんの文章に、かこさんの孫の中島さんが絵を描いた作品。
かこさんの言葉はもちろんなのだけど、中島さんの絵もとてもとても良い。
戦争の只中を書いたものではなくとも、戦争が奪うものの大きさ、その残酷さが伝わる。
作品全体を包む優しさが、平和への祈りを一層感じさせた。

2025年3月23日

読書状況 読み終わった [2025年3月23日]

ひえええーーーおっもしろ!!!!!
山の牧場で暮らす寡黙な兄の元に、明るくて人気者だった弟が帰郷してくる。
二人はある秘密を抱えていた、というあらすじから陰鬱でウエットな作品を想定していたのだけど、文章がカラッとしていてとても読みやすい。
そして構成の上手いこと!!
途中で秘密が明かされた時には、その絶妙なタイミングに叫び出したいほどだった。
訳も非常に良くて、1/3くらい読んだところで他にどんな訳を手がけている方かな、と略歴のページを開いたところ…隣の解説の、結末ネタバレが目に入ってしまった…くーーっ!
でも、結末がわかっても読むのをやめる気には全くならない面白さ!
いやー、ラストまで見事!
人の描き方のうまさよ…。
今年のマイベストに入ること間違いなし。

2025年3月21日

読書状況 読み終わった [2025年3月21日]

我が家のどストライク!
みんなで爆笑しながら見ました、いやー楽しい時間をありがとう!

2025年3月19日

読書状況 観終わった [2025年3月19日]

マッカラーズはどの作品もいいなぁ…。
報われない三角形は痛ましくて愛おしい。
山本容子さんの版画がぴったりだった。

2025年3月18日

読書状況 読み終わった [2025年3月18日]

性格も生き方も異なる老年の女性二人。
幼い頃から今までずっと親友だった彼女たちにも、それぞれ言わずにいたことがある。
二人と、そこに飛び込む若いシングルマザーを中心に、丁寧に描かれた長編で、社会や家庭で女性が被る理不尽や搾取についてはきっと描かれるのだろうなと読む前から思っていたのだけど、更に「土地は誰のものか」という視点があったのも良かった。
出来すぎていて私の好みから少し外れはするが、ラストがいい。

2025年3月17日

読書状況 読み終わった [2025年3月17日]

良かった…泣きました…。
シリーズどの巻も良いのだけど、今作は特に主人公たちに親近感湧いたのもあって、私の心の小さいのだけど頑固なくすみを洗い流してくれた気持ち。
これまでの主人公は、どこかいわゆるキャラの立ったところがあり、主人公になるのも当然だった。
今作の2人は目立つタイプではない(目立たないことの理由はそれぞれ違うのだけど)。
でも、パッと見てすぐ印象に残るわけではなくても、一人一人みんな違っていて、それぞれ良さや面白さがあることを、説教じみることなく上手く物語に織り込んでいて見事だった。
ラストがほんとに良かったなぁ…読んで良かった!

2025年3月13日

読書状況 読み終わった [2025年3月13日]

うわーー!めっちゃルメートル!私の好きなルメートル!これが最後のミステリだなんて!!
63歳の女性殺し屋、という設定の面白さにわくわくしていた冒頭は、ジェットコースターの安全バーを下ろした時の気持ちだった。
これから怖くて楽しい時間が始まるぞ、と思っていたら、動き出す寸前に「このジェットコースターのレールは外れている箇所がございます」とアナウンスが流れ、えっ?!と思っている間に動き出してしまう。
ちょっと待って!どこかで落っこちるじゃん!助けて!!と心中叫びながらの読書、こんな体験なかなかない。
そうして迎えたラストがねえ…!
思いがけないものだったけれど、読んだらもうこれしかない。
前書きで、現実は理不尽に溢れているんだからフィクションもそれでもいいでしょー?と挑発したルメートル、確かに理不尽に溢れた作品だった。
でも、理不尽に翻弄され、踏みつけられることが不当だと告げてくれるのもまたルメートル作品で、私はそこがまさに好きなところなので、今作でもそれに触れられて満足。
満足…だけど、えーん!やっぱりミステリも書き続けて欲しいよう!

2025年3月12日

読書状況 読み終わった [2025年3月12日]

小学生の頃、大好きで大好きで何度も読んだ作品。
久々に読むと、子どもたちの気持ちが実感として感じられたのは自分が子どもの頃と同じだけれど、今は親の立場でも同時に読むこととなり、なかなかに打ちのめされた…。
古田さんはどの作品も、大人にはきっちりと釘を刺していく。
私の中にずっと残る子どもの部分では古田さんの作品に支えてもらいながら、大人の私は受け止めて、省みなきゃ。

2025年3月23日

読書状況 読み終わった [2025年3月23日]

9歳娘に勧めてもらって読んでいる委員会シリーズ、刊行順じゃなくて大丈夫だと娘に言われたので、1巻の今作の前に4冊読了済み。
今作も良かった…とても良かったよ…。
表に見えるものが全てじゃない、というのはシリーズ通じて描かれている、胸に沁みるメッセージ。
この子は実はこう思ってるんだよねと先に読んだ内容を思い出して楽しむこともできたので、シリーズ全巻読んだ後にまた全て再読したい。
絶対楽しい!

2025年3月11日

読書状況 読み終わった [2025年3月11日]
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