☆4.8点
社会の道を少し外れた人間がバーゲンセールのように出てきては犯罪を犯して舞台から降りて行く漫画。
「稲中卓球部の作者がギャグを封印して描いたシリアスコミック」と言う紹介を良く聞くが、上巻では家庭に問題がありつつも祐一は友達と仲良く過ごしていて、馬鹿馬鹿しいエピソードも多く入っている。
特に祐一の人間性が映画以上に深く描かれていて、軽はずみで犯罪に走りがちな友人夜野を殴ってでも止めようとする思いやりの強さは、これから始まる悲劇を考えると心痛める。
映画と原作は完全な別物として観賞した方が良いと思う。
ストーリーが長い分祐一、と言うか若者特有の停滞感(悪人を殺すと言いながらも、言い訳を作ってはズルズルと何事も成し遂げようとしない情けなさ)が祐一の心象描写と共にこれでもかと描けていてコミック版の方が個人的には好みかもしれない。
だけども映画もコミックも、最後のどんちゃん騒ぎのシーンで泣かずにはいられない、素晴らしいシーン。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
マンガ 青春
- 感想投稿日 : 2012年1月26日
- 読了日 : 2012年1月26日
- 本棚登録日 : 2012年1月26日
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