
シリーズ一巻では、守られる側であったチャグムが、今度は皇太子として、また、熱き純粋な心を持った青年として、サンガル帝国を舞台に描かれる政争に身を投じる。
チャグムやタルサンの幼さ、と表現されるそれは、確かに幼いといえるものなのだが、どんな人にも、価値判断の根底にそういうものはあって欲しい、本書を読んでいて、そのように思った。チャグムもタルサンもこれからその純粋な熱さと現実の狭間で思い悩み、苦闘するのであろうが、ファンタジー世界くらいはこういう純粋な人間がいてくれると、そして、シュガをはじめとした協力者がいてくれると、なんともほっとするものである。
一巻から読み進めていると、最後のチャグムからシュガへの語りは、なんとも感慨深いものである。
- レビュー投稿日
- 2019年5月22日
- 読了日
- 2019年5月22日
- 本棚登録日
- 2019年5月22日