絞め殺しの樹 (小学館文庫)

  • 小学館 (2024年4月5日発売)
4.08
  • (7)
  • (13)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 172
感想 : 5
3

釈迦は、菩提樹の根元で悟りを開いた。そして蔦であるその菩提樹のことを別名「シメゴロシノキ」と呼ぶそうです。
この小説はミサエという女性の一代記ですが、ミサエの孝行先の家族がとにかく酷い人たち。同じ集落に暮らす人々も同様。
ミサエがどんなに努力家で立派な人物であっても、この環境で暮らすうちに、どんどん締め殺されていく・・・
明るいところやカタルシスがほぼないし、長編なので疲れました。
私は、河崎さんのリアリティ表現がとても好きなのですが、それが発揮されたのは娘の自殺を発見したシーン・・・何とも・・・
そして血縁関係がドロドロです。横溝正史かっ!

蔦が巻き付いて、生きながら死んでいく・・・そんな設定が読んでいてとても辛かったです。
雄介は自ら根室に戻ると言うけど、そんな責任とか義務とか言う前に、アメリカのロードムービーを1回見た方がいいっしょや!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年4月24日
読了日 : 2024年4月23日
本棚登録日 : 2024年4月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする