本にだって雄と雌があります

著者 :
  • 新潮社 (2012年10月22日発売)
3.74
  • (95)
  • (86)
  • (63)
  • (32)
  • (15)
本棚登録 : 1051
感想 : 174

1ページ当たりの文字数の多さと、ホラまみれボケまみれツッコミまみれの関西感?まるだしの文章に、読み始めはかなり苦労しました。なかなかページが進まない。

そもそも、本文始まって2ページ目の「チツテト」の意味が分かるまで、不覚にも数分を要してしまった(汗)こりゃ、進まないのも当然だね。

小説は、「私」が、「私の息子」宛てに書いた 「私の祖父」の一代記の体裁であるが、更に数代前の世代から現在までを行きつ戻りつし、親類縁者のエピソードも詳述されるので、中盤までは 面白いんだけど とりとめなくてごちゃごちゃした印象。

だが、祖父・深井與次郎がボルネオに出征したあたりから、今までバラバラだったそれぞれのエピソードが、パズルのようにぴたりと組み合わさって、想像もしなかった巨大な世界が眼前に現れてくる。

「幻書」という、摩訶不思議な存在をめぐる、ありえないファンタジーであるにもかかわらず、読後妙に納得できるのは、そんな「ありえなさ」を超越した夫婦愛、家族愛が描かれているから。かな?

命のつながり、それ以上に不思議なものはない、ということかもしれません。

とにかく、本が好きでよかった!!

これが一番の感想です^^




 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年10月11日
読了日 : 2013年10月9日
本棚登録日 : 2013年10月2日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする