金融危機後の世界

  • 作品社 (2009年8月31日発売)
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感想 : 21
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賛同はできませんが、面白い本です。
金融業界の内部にいて、金融資本主義から(働かずに)利潤を掠め取る人々を「インサイダー」と名付けて、彼らを批判しています。
投資銀行経営者、ファンドマネージャー、証券化商品を組成するクオンツなどを念頭に置いているのでしょうか。
善悪の価値判断は含んでいないと書いていますが、かなり感情的な記述も少々見られます。
また、著者及び訳者が金融業界の用語や会計処理には精通していないためか、ところどころ誤解や理解不足(IFRSのくだりなど)と思われる部分もありますね。
「人類の88%は金融機関にマネーを預けることができない(預金口座を持つことができない)、人類の63%は融資や保険などの金融サービスを受けることができない」との記述もありました。これは興味深いです。
金融市場の規制強化、ただし、官僚の裁量ではなく、公正で情報開示を持ってする資本市場の発展が必要。貧困は金融市場の発展で解消できるというのは私の考えとして変わりません。
社会主義的な規制強化やオキュパイの連中への同情など、とうてい賛成できないことも書いていますが、面白い一冊です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 金融
感想投稿日 : 2012年2月18日
読了日 : 2012年2月18日
本棚登録日 : 2012年2月18日

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