機龍警察(ハヤカワ文庫JA)

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本棚登録 : 1097
レビュー : 175
著者 :
瑠璃花さん 冒険小説・スパイ小説   読み終わった 

これはまず警察小説であり
ハードボイルドアクションです。

機龍を操っての戦闘シーンより、
戦いを生業としたプロ集団の男たちを描くことに
力点が置かれていて、心理描写の方が多いです。

その上で機龍での戦闘が。私達の知っているのと
よく似た近未来の東京に書き込まれていて
こちらの想像力を容易に喚起させるのが上手なところ。

この方は、初読の「土漠の花」の時も思いましたが
ステレオタイプのお約束、とわかっていることを
面白くツボにハマる形で読ませるのがお上手です。

陳腐というより、「お約束」に溺れ、好きなだけ
脳内で想像して堪能する面白さを提供してくれる。
アニメの脚本家さんでもあられるので尚更でしょう。

かつての藤川桂介氏のお作を彷彿とさせます。

この、斬新な世界でお約束にハマるという
暗黙のルールがお好きでない方には、もう一つ
「どこかで見たような」
という不満がぬぐい去れないかもしれません。

が、そここそがいいんじゃないか。
俗っぽく言えば厨二で何が悪い。
細けぇこたあいいんだよ、という向きには
すごく面白いはずです。

そういう意味では人を選ぶかしら。

警察と機龍をめぐる犯罪。機龍そのものの謎。
過去をそれぞれ背負った人物たちの心の行く先。
物語で解き明かされるべきことはまだ端緒に
ついたばかり。次作を読ませるヒキは十分です。

設定がしっかりしている上に、組織小説
群像小説としても面白く
エンタテイメントとしては最高ですね。

アクションも小気味いいですし、これを
アニメにしたらさぞやと思います。

アニメからノベライズしたものより
しっかり読ませるのが私には嬉しく

アニメをノベライズした時に感じる
無理に小説に向かないものを小説にしたザラ感が
ないので楽しめました。

これはやはり、読んで楽しむものなんだなと。
そう来なくちゃね、と思う読後感でした。

ちなみに星が3つなのは、シリーズ化が前提で
ここではお話が完結してないから、です。

レビュー投稿日
2015年4月25日
読了日
2015年4月24日
本棚登録日
2015年3月7日
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