お客様目線のつくりかた 顧客視点は仕組みで生み出せる

  • 悟空出版 (2023年7月31日発売)
2.50
  • (0)
  • (1)
  • (2)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 43
感想 : 6

ターゲット顧客のニーズを知ることの大事さを学べる本です。
世の中には多くのマーケティング手法を教える本やセミナーなどがありますが、テクニック論に走りがちなものがあるのも現状です。
テクニックを身に着けようとしても、センスが必要で、できる人が限られる場合も多い上、使いすぎでお客様が飽きてしまう可能性も。
シンプルにお客様の声を聞き、「お客様の喜びそうなこと」を考えることは、誰にでもできる可能性があることを教えてくれます。
お客様にどう質問し、その答えを普段の仕事に反映する仕組みをどう作るかまでを、自身の経験も交えながら紹介しています。
マーケティングなどを学んではいるが、それが結果に結びついていない方などが読むと、悩みの解決のヒントが得られそうな1冊です。

【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】

「人は、どうしても他との違いを『弱み』としてネガティブに捉えてしまうが、『強み』と『弱み』は表裏一体のことが多い。他人から見れば『強み』であることが、本人から見れば『弱み』に感じていることもある。お客様、特に支持者の“好意的な声”を聞くことは大事。」
「商品のメリットとベネフィット(得られること)を伝えるのが大事だが、そのためには『誰がお客様か』が明確でないといけない。同じ商品でも、お客様が違うと、商品の価値も変わる。違うやり方、違う路線の成功例が出てくると、『喜ばれてきたベネフィット』を見失いがち。」
「お客様が『できる』と考えることに対し、お店が『できない』と言うから不満が起こる。逆に、お客様が『できない』と思っていたことが『できる』のであれば、そのサービスはうまくいく可能性が高くなる。」
→強みの見つけ方、ターゲット設定の大事さ、差別化の注意点を知ることは、ビジネスの基本です。それをお客様から知ることができれば、成功の確率は高まるはずです。

【もう少し詳しい内容の覚え書き】

・世の中にはさまざまな「顧客満足」の理論や手法があって、どうしてもシンプルに「お客様が喜びそうなこと」を考えることが、多くの企業、お店、営業で、できていない。必要なのは、単にお客様に質問し、その答えをどう普段の仕事に反映させていくかの「仕組み」。
・「顧客満足」で要求されることは、パフォーマンスの技術という“テクニック論”になりがちだが、センスが必要で、できる人にしかできない問題がある。お客様が結局飽きてしまうことも多い。
・AIの進化でビジネスのあり方が大きく変わりつつあるが、AIが提供するのは既存のデータに基づいたもので、新しく斬新なものを生み出すわけではない。重視すべきが「どう伝えるか」から「何を伝えるか」にシフトするが、そのためにお客様の声を直接聞くことが重要。

○なぜ「お客様目線」が必要なのか
・売上至上主義で全てのお客様を満足させたい、お客様と直接話をする機会が減少、売り手の「思考停止」、自分がお客様の立場になった経験がない、「購入後のデータ」しか見ない、「プロ目線」になる、「お客様」の定義が不明確、という7つが「お客様目線」になれない理由。
・お客様のことをあれこれ分析するより、その気持ちをお客様に聞いてみる。お客様の話を聞き、それを素直に反映させるような「仕組み」をつくれれば、あれこれ考えなくても、お客様の願いを実現できる。

○間違えない「お客様目線」の考え方
・人は、どうしても他との違いを「弱み」としてネガティブに捉えてしまうが、「強み」と「弱み」は表裏一体のことが多い。他人から見れば「強み」であることが、本人から見れば「弱み」に感じていることもある。お客様、特に支持者の“好意的な声”を聞くことは大事。
・最初から買うことを考えていない人に「どんな商品があったら欲しいか?」と聞くのは、判断を誤らせる情報でしかない。聞くなら、すでに購入したお客様に「何が決め手で購入したか」を聞く必要がある。

○「お客様目線」を知るための方法
・お客様の気持ちを深く理解するため、追体験に最低限必要なのは、購入前の背景(悩み、欲求)、知った方法(媒体)、購入時の不安、購入の決め手、使用後の乾燥の5つの質問。使用後の感想だけ聞きがちだが、追体験できるよう、購入前からの気持ちの変化を質問する。
・長年商売をしている人ほど、お客様の本心ではなく「お客様に言ってほしいこと」を聞き手が誘導し、ヒアリングで失敗することがある。売り手の頭の中に、長年の経験から理想回答がある。販促アンケートの専門家など、中立な立場になれる外部の力を借りるのが有効。

○コンセプトに合うお客様を決める
・商品のメリットとベネフィット(得られること)を伝えるのが大事だが、そのためには「誰がお客様か」が明確でないといけない。同じ商品でも、お客様が違うと、商品の価値も変わる。違うやり方、違う路線の成功例が出てくると、「喜ばれてきたベネフィット」を見失いがち。
・「購入の決め手は何か」という質問に対する答えは、その商品の強み。それ自体を“セールス文句”にして活用するのが最も効果的。既成のコピーは似たようなものになりがちだし、どうしても商業的に見えてしまったり、白々しく思えてしまったりする言葉も多い。
・商品の品質などメリットがあれば、些細な欠点は凌駕できる。すべてに愛されることではなく、「愛してくれるお客様を裏切らないこと」が大切。関係性をつくるにはお客様との長い付き合いも必要だが、最初に、自分たちの考えを偽ることなく、きちんと明らかにしたい。

○「お客様目線」対策を考える
・要望に沿うとは「お客様を喜ばせるアイデア」を実行する方法になる。知りやすくする、入りやすくする、聞きやすくする、選びやすくする、買いやすくする、キャンセルしやすくする、の6つが代表的な「お客様の要望に沿う方法」。
・お客様が「できる」と考えることに対し、お店が「できない」と言うから不満が起こる。逆に、お客様が「できない」と思っていたことが「できる」のであれば、そのサービスはうまくいく可能性が高くなる。

○「お客様目線」を習慣化する
・お客様の目線を意識するには、インプット(入力)だけでなく、「話す」か「書く」かでアウトプット(出力)で頭にそれを刷り込むことも必要。話す場合は、自由に気づいたことを発表し合い、それに対して思いついたままを意見していき、その中でアイデアが1つでも出ればよい。
・「話す」ためには、メンバーに「お客様目線」の大切さが共有され、自信が会議を開ける権限も必要だが、「書く」のは自分1人でも始められる。メモやノートで書き溜めて見返すだけでも効果的だが、最も効果的な方法やブログやSNSでのシェア。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2023年
感想投稿日 : 2023年9月4日
読了日 : 2023年9月4日
本棚登録日 : 2023年9月4日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする