ユートロニカのこちら側 (ハヤカワ文庫JA)

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本棚登録 : 158
レビュー : 16
著者 :
syikiさん SF   読み終わった 

各章、少しずつ登場人物の重なる6つの物語。おもしろくて第四章まで一気読み。
「アガスティアリゾート」はまだまだ実現には程遠そうに思えて、しかしよく考えてみれば情報銀行のようなものはすでに原型が生まれつつあるなと思う。いま現在、スマホに入れたアプリに対して個別に許可・拒否しているような個人情報が、もっと大枠の存在に吸い取られて管理される未来は突拍子もないものじゃない。
その後、この物語では街づくりに進んでいるわけだけれど・・・現実では何が起こるんだろうなぁ。

「リップ・ヴァン・ウィンクル」での、監視に無頓着でいられる人とどうしても耐えられない人、というのはすごく想像できる状態だなと思う。
『鈍感さはこの街で最も尊い美徳のひとつなんです。時代は変わりました』

「死者の記念日」での、旧世代のスティーヴンソンと時代に順応したライルとのかみ合わないやり取りもどこかで交わされていそうだ。
『まるで差別が正当化されるような口ぶりだな』
『これは決して差別ではありません。契約です』

最後は宗教が出てくるところが、アメリカらしい。文体のせいもあって、翻訳ものを読んでいるような気分でおもしろかった。

レビュー投稿日
2018年7月25日
読了日
2018年7月1日
本棚登録日
2018年7月1日
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