オーリエラントとは違う世界。これもまた、時にも空間にも無限の広がりを感じさせる世界ができていて・・・すごいなぁ。
侵略や陰謀の結果として人死にが出るファンタジーはたくさんあるけれど、乾石さんの世界ではそれがものすごく生々しい。一族郎党皆殺しとか、隣国に攻め入って街を占領するとか、とてもじゃないけど具体的にどうするか想像もつかないファンタジー的なそれらの行動が、史実のように語られるので、目の前が暗くなるような悲壮感や無力感をまざまざと味わったような気持ちになる。
この世界のナイトゥルやドリューもまた、「生き残り」のひとり。生き方の全然違うふたりの繋がりが、闇へ闇へと引き込まれそうになる物語を水面につなぎとめている感じ。
侵略者として登場したオーシィンの生き様、死に様も独特で印象的だった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ファンタジー
- 感想投稿日 : 2018年7月13日
- 読了日 : 2018年7月1日
- 本棚登録日 : 2018年2月11日
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