文明論之概略を読む 上 (岩波新書 黄版 325)

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  • 岩波書店 (1986年1月20日発売)
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感想 : 27
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<メモ>

・・・政治家や実業家などの分野でも、
明治の元勲と言われる人は圧倒的に天保生まれが多い。
西郷だけがちょっと年長で文政10年生まれですが、
大久保、木戸をはじめ、山県有朋、大隈重信、伊藤博文
井上馨、松方正義、黒田清隆などもみな天保生まれです。
福沢は、これら天保の老人世代に属している。

金甌無欠とは、開闢以来、国体を全うして外人に政権を奪はれたる
ことなきの一事に在るのみ。故に国体は国の本なり。
政統も血縁も之に従て盛衰を共にするものと云はざるを得ず。

・・・まず「惑溺」一般の説明をします。あるものを使う本来の目的
をどっかへ行ってしまって、そのものの具体的な働きにもかかわらず
「もの自体」が貴重とされる。そういう思考傾向を惑溺というのです。
この章の結びの節に「物の貴きに非ず、其の働きの貴きなり」という福沢哲学の基本命題が出てきます。(p198)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学・思想
感想投稿日 : 2012年9月12日
読了日 : 2012年9月12日
本棚登録日 : 2012年9月12日

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