なぜか著者本人ではなく担当編集者による前書きから始まるが、その愛情深さにに思わずほろりとさせられる。セルフネグレクトに陥り一時期ホームレスになってしまったこともある著者の内田さん。本書は五十音から始まる言葉がテーマの4コマ漫画と、それにまつわるエッセイから構成され、内田さんの独特な感性や「生きづらさ」が綴られたエッセイは、クスリと笑えるものから、かなり衝撃的なものまである。この人が今まで生きてくるのはどれほどハードモードだったことかと思いを馳せる。世間一般の人とは違う部分があったり、それが原因でうまく行かないことがあったりしても、もがき奮闘しながら生きている姿に元気をもらえる。「生きづらさ」という言葉がブームのようになっている昨今、世間との折り合えなさや疎外感といったものは、程度の差こそあれ誰もが抱えており、「それでもやっていく」という中で共感できる部分が多々あった。
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- 感想投稿日 : 2024年4月5日
- 読了日 : 2024年4月3日
- 本棚登録日 : 2024年4月3日
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