労働の衰退や不完全雇用の拡大といった課題に対して、労働を基盤とした現代の経済は解決策を持ち得ないと問題提起する。そこで、日本ではNPOにあたる「参加と連携の組織」によって生まれていく「第四次部門(第四次産業)」を提案する。
非営利部門がどのように地位を確立し、新しい経済循環を生み出していくか、これまで漠然と考えていたものが論理的に言語化された感覚だ。出版は17年前であるが、現在においても主張は色褪せない。一方で、出版からこれまでさまざまな取り組みがなされているが、いずれも十分な効果を発揮していないのも事実である。
改めて我々はどう参加と連携の組織を発展させ、第四次部門を実現するか深く考え、体系的にアプローチをしていかねばならない。
最後に第四次部門が参加型の経済民主主義を実現するということにおいて、印象に残ったフレーズを引用する。
『第四次部門では、個人は自分の欲望、才能、能力と最も関係が深い「参加と連携の組織」を自由に選び、または結成することができる。個人は相互性の関係によって互いに平等である。個人は、市民あるいは「共同生産者」として、日常的に組織化さや経済的社会的システムの目標について論議し、ものごとを「票決に付す」』
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
非営利経営
- 感想投稿日 : 2016年2月22日
- 読了日 : 2016年2月22日
- 本棚登録日 : 2016年2月19日
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