獣の奏者 4完結編 (講談社文庫)

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本棚登録 : 3055
レビュー : 313
著者 :
あこさん 2012年8月9月読んだ本   読み終わった 

ちょっと、呆然としてる。
涙が止まらなくて、止まらなくて。
エリンが生き延びて、幸せにくらしてく道を探ったけれど、
この結末しか、
「それから、母は四日生きた」
このジェシの言葉にしかたどりつけなかったと上橋先生は書かれてたけれど、そうなんだろうなあっと思う。

エリンは生きたかっただろうけど。
もっともっといろんなことを知りたかっただろうけど。
泣いているエリンをリランが何度も何度も舐めるシーンが胸にしみた。

狂乱、と章題にあったから、怖ろしいことになるんだろうとは思いつつ、
ずっと読んでいたのだが、いざその情景が目の前に広がると
怖ろしいというより哀しくて、涙が止まらなかった。
野にあるように生きていれば起こるはずもなかった悲劇。
ぐるぐると廻りつづける闘蛇の群れ。
その渦は、エリンが逃れようとも逃れられなかったもろもろのことにも思える。
全てを明らかにして、その先に未来を、というエリンの願いは、
少なからず叶ったといえるのだろう。
王獣は野に還り、起こったことは全て後世へと残される。
違う言葉をもつ生き物と心を交わしあいたい、
そんな少女の純粋な気持ちが行き着いた場所があの哀しみなのだとしても、
それでもリランとエリンの間に芽生えたものをなければよかったとは思えない。

悲劇は何度でも繰り返すのだろう。
それなら人など滅んでしまえばいい。そう思ってしまう。
でも、それでも、とエリンは言う。
そうじゃない道を探すのも人なのだと。
考えて、考えて、死に物狂いにいきるのだと。
心をつかれる言葉がいくつもいくつもこの作品にはある。
私はここまで懸命に生きれるだろうか、と思う。
後になんにも残せなくてもいい、ただすっぱりあっさり
なにもかも終わって欲しい。不意にそういう想いが湧いてくるのは。
きっと私がここまで懸命に生きてないからなんだろう。

あの結末しかあり得なかったとしても、
そのことに異論はないけれど、
それでもイアルとエリンに2人で幸せに老いていって欲しかった、と心から思う。


なんだか言葉にできないものがいっぱい湧いてくるような気持ちだ。
本当にすばらしい物語を産んでくれて、感謝!!

レビュー投稿日
2012年9月20日
読了日
2012年9月20日
本棚登録日
2012年9月20日
4
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