タイトル通りに、石油が国際政治にどのように影響を及ぼしているかを簡略にまとめている良書。本書を読んでから、中東各国の歴史や領土問題についてより深く知りたいと考えるようになった。
以下に面白かった点を述べておく。
①石油の価格は、WTIが主要な指標となっている
②ISの前身
ISの前身は、アルカイーダの発足までさかのぼる。ソ連のアフガニスタン侵攻を食い止める武装組織としてアメリカの代理戦争を行ったのが、アルカイーダの発端だ。アルカイーダの中でも一層過激な武装組織として進化したのが、ISだ。
③原油価格暴落の原因
アメリカと親米国であるサウジアラビアの共通の敵はロシアである。ロシアは石油と天然ガスに国家財政を依存しているため、資源価格の下落は国力の低下へと直結する。
④ロシアと中国の関係
中国はロシアから石油を地下パイプで供給するプランを構想している。このため、莫大なインフラ投資をロシアにして、その見返りとして石油資源を獲得しようとしている。
⑤ナフサから我々の生活用品は生まれている
石油商品の一種であるナフサは、プラスチックから衣類まで実に様々な商品に応用されている。このため、石油価格の乱高下は我々の生活に関わっていると言える。
⑥中国のベネズエラ進出
原油安で財政難に陥ったベネズエラに手を差し伸べたのは、中国である。財政支援をする代わりに、レアメタルと石油で債務を返済するように求め、ベネズエラはこれを承諾している。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年6月22日
- 読了日 : 2017年6月22日
- 本棚登録日 : 2017年6月22日
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