その問題、経済学で解決できます。

  • 東洋経済新報社 (2014年8月29日発売)
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最近の経済学で大流行している比較対象実験(Randomized Control Trial)を用いた研究結果について詳細に記述している良書。

以下に、興味深かった点を挙げておきます。
①子どもの成績を伸ばすためには?
子どもの成績を改善しようと思うのであれば、ご褒美をあげることが何よりも大切である。ご褒美とは、何もお金だけで無い。トロフィーやチョコレートでも良い。努力に対して報酬を与えることで、子どもが勉強をするインセンティブを引き上げることができる。

②女性は男性よりも劣っているのか?
日本においても、管理職に占める女性の割合は男性のそれよりも圧倒的に低い。これは、女性が生まれながらにして、マネジメント能力や経営管理が出来ないからなのだろうか、それとも、会社の雰囲気などの文化的な要因によって影響されているのか。この問題に対して、筆者は、母性社会が強い村と父性社会が強い村を比較して、女性がどのように振る舞うのかについて検証をします。その結果、女性が先天的に経営管理能力が劣っているのではなく、適切な競争条件が整備されているのであれば、女性も自身のキャリアを伸ばすことができることが明らかとなった。

③差別はどのように生じるのか?
筆者は、差別の中でも経済的差別に関して言及している。経済的差別とは、統計的に平均値が低いもしくは高い集団に対して、差別的な感情を抱くことである。例えば、黒人と白人を比較すれば、前者の方が明らかに犯罪率が高い。それゆえに、黒人は暴力的であるという差別意識を抱きがちである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済学
感想投稿日 : 2017年4月15日
読了日 : 2017年4月15日
本棚登録日 : 2017年4月15日

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