銅像時代 もうひとつの日本彫刻史

  • 岩波書店 (2014年3月27日発売)
3.33
  • (0)
  • (2)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 28
感想 : 3
3

≪目次≫
序章   銅像時代のはじまり 1909
第1章  屋根の上のつくりもの
第2章  さすらう金鯱
第3章  殿様の銅像
第4章  横浜清正公ストリートにて
第5章  台座考ー建築家と記念碑
第6章  ある騎馬像の孤独ー戦争が終わって転々とす     るもの
終章   銅像時代のたそがれ 2009

≪内容≫
東大の文化資源学を専門とする大学院教授の著書。「銅像」と名打っているが、その内容は銅像の周りをグルグルしている。しかし、明治になってヨーロッパの影響を受けて銅像が作られたこと(亀井茲明の影響が強い)。銅像としては、神武天皇像(金沢兼六園内)は戦争祈念碑(忠魂碑)的要素が強く、実在の人物像としては、大村益次郎像(靖国神社)よりも津和野の亀井茲監像が2年古く(1890年)造られたこと。銅像は彫刻家が台座は建築家が手掛けたこと(古くは)。など、有益な事実が次々と現れた。特にあとがきの東大内の銅像のゆくえを書いた顛末が私にも一番面白かったのは、どうしてだろう。そこには今の銅像の位置づけが見えるからかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2014年4月13日
読了日 : 2014年4月13日
本棚登録日 : 2014年3月31日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする