名もなき毒 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年12月6日発売)
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感想 : 632
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2〜3年前に宮部みゆきの「誰かSomebody」を読んで、今年「希望荘」を読もうとしたら、これも杉村三郎が主人公の小説で、既に杉村三郎シリーズの4作目ということがわかりました。それなら2作目と3作目を先に読まなくてはと思って、2作目の「名もなき毒」を急遽買って一気に読み終えました。
今多コンツェルン会長の娘婿で社内報の編集が仕事だと言うのは変わってなく、事件に巻き込まれて探偵のように解決するというパターンも同じですが、事件の内容は色んな絡みがあって、前作よりだいぶスケールアップしています。
全く関連のない二つの事件に関わることになった杉村が、最終的には二つの事件を同時に解決することになる結末が用意されているとは凄い展開です。
一つは杉村の部下になるアルバイトの女性が起こす逆恨みの事件、もう一つは青酸カリによる連続殺人事件。両方の事件に複雑に絡んでいく経緯も面白い。
この2作目までは少なくとも、夫婦仲も問題なく、会社での仕事も問題なく、会長との関係も問題ない。奥さんがあまり丈夫でないようで、今回の事件に巻き込まれたストレスが少し気になるところはある。4作目では離婚して会社も退職しているらしいので、次の3作目「ペテロの葬列」では夫婦仲がどんな展開になるのかも楽しみの一つだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年4月17日
読了日 : 2019年4月15日
本棚登録日 : 2019年3月31日

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