幾千の夜、昨日の月

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年12月27日発売)
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本棚登録 : 461
感想 : 86
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夜についてのエッセイ。
初めて徹夜をした林間学校の夜、生まれたばかりのような月を見た砂漠の夜、酔っ払って友達に電話をかける夜‥など、その夜を過ごした年齢も場所もまちまちなのに角田さんの記憶の中の夜はみんな静かで少しそっけない。
そんな変わらない夜の空気を優しいと思うか、怖いと思うかはその時の自分の状況で決まるんだろうな。

例えば私の場合も、怖い本を夜に読むともう全然ダメで一刻も早く眠りにつかなければと焦ったり(でも部屋を暗くして目をつぶるのがもう怖い)、逆に夜の静けさの中を散歩をするのが無性に楽しくドキドキしたり、音楽を聴きながらめそめそしたり‥、昼間よりもずっと自分の感情が濃くなっている(変な表現だけれど)ような気がする。
夜にはそういうところがあるのかもしれない。

エッセイの中には異国の夜について書かれたものが多くて、それがまた新鮮で面白い。
外国に行ったことがない人間からすると、角田さんの行動力と度胸はまるで勇者のようだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年6月8日
読了日 : 2012年6月8日
本棚登録日 : 2012年6月7日

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コメント 6件

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/06/08

「昼間よりもずっと自分の感情が濃くなっている」
判る気がする。
学生だった頃の私がそうだったから、小さな音でラジオを聴きながら、本を読んで、朝日を拝んでから仮眠する。やっぱり若かったんだなぁ(スミマセン一人納得してます)
「幾千の夜、昨日の月」このタイトルとっても良いナ。

takanatsuさんのコメント
2012/06/08

「学生だった頃の私がそうだったから」
素敵な過ごし方ですね!まさに憧れのシチュエーションです。

まろんさんのコメント
2012/06/08

すごく素敵なレビューで、うっとりしました♪

「夜の空気を優しいと思うか、怖いと思うかはその時の自分の状況で決まる」
まさにそうですよね。

角田光代さんは、女性の内面をあまりにも的確に切り取って書かれるので
自分の見たくない部分もどんどん見えてくるようでちょっと苦手意識があったのですが、
このエッセイは読んでみたいなぁと思いました!

takanatsuさんのコメント
2012/06/08

まろんさん、ありがとうございます。
「自分の見たくない部分もどんどん見えてくるようで」
あぁ‥、分かります!
ダメージを受けた作品、私もありました。
角田さん作品を読み始めて日が浅くて詳しくはないですが、幸せな気持ちになれる作品もありましたし、食に関するエッセイとかも面白いです。
角田さんは多作な方ですし、まろんさんの好きになれる作品も絶対あると思います。
(…て、プッシュし過ぎでしょうか。)
レビュ、楽しみにしてます!

まろんさんのコメント
2012/06/09

いえいえ、takanatsuさんの感性、とても信頼しているので
まずはエッセイから探してみます!
くいしんぼうなので、食べ物関係からになるかも♪

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/06/11

takanatsuさん
「まさに憧れのシチュエーションです」
今思うとホント贅沢。。。これからは意識して読む時間を確保しなきゃ、積読が増える一方です。

横入りします。
> まろんさん
「女性の内面をあまりにも的確に切り取って」
へぇ~
私が読んで、それに気付くかなぁ?

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