人質の朗読会

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本棚登録 : 3022
レビュー : 622
著者 :
takanatsuさん  未設定  読み終わった 

人質の朗読会というタイトルから想像していたのは、傷つき疲れきった人達の嘆きのような語りだった。
なんてバカなことをことを考えていたんだろう。
もっとずっとずっと素敵な物語だった。

人質になった8人と朗読を聴いていた特殊部隊員が語ったのは、「自分の中にしまわれている過去、未来がどうあろうと決して損なわれない過去」。
誰にも言わずにいた、お守りのような思い出だ。

こんな物語を語れるなんてうらやましいなと思った。
どの朗読もその特別な時間を一緒に過ごした人への思いやりが溢れていて、とても優しい。
時が経ってから振り返ることで、自分にとってその時間がどんな意味を持っているかが明確になるのかもしれない。
何気なく過ぎていく無数の瞬間の中に、時間が経てば経つほど鮮明になっていく一時が確かにあるように思う。

特に素敵だなと感じたのは「杖」、「コンソメスープ名人」、「ハキリアリ」。
共通点は幼少期の思い出だということ。
9つの物語の中でも特に驚きと好奇心に満ちていて、一際キラキラしていた。
すごくすごくキレイで、スペシャルな時間をお裾分けしてもらった気分。とても幸せな一時だった。

レビュー投稿日
2012年7月13日
読了日
2012年7月13日
本棚登録日
2012年7月13日
11
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『人質の朗読会』のレビューへのコメント

まろんさん (2012年7月14日)

この本、私もとても気になっていたのですが
タイトルのイメージから、「救いのないお話だったらどうしよう。。。」と
読むのを躊躇っていました。

「未来がどうあろうと決して損なわれない過去」。。。とても素敵です♪

takanatsuさんのこの感動に満ちたレビューのおかげで
もう迷いなく、読むことができます♪ありがとうございます(*^_^*)

takanatsuさん (2012年7月14日)

そうですよね。私もタイトルで警戒していました。
でも、心配する必要はなかったなと読み終わった今は思います。
まろんさんのレビュ、楽しみにしてます!

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