([お]9-1)困ってるひと (ポプラ文庫 お 9-1)

著者 :
  • ポプラ社 (2012年6月20日発売)
3.98
  • (156)
  • (196)
  • (109)
  • (23)
  • (3)
本棚登録 : 1392
感想 : 225
3

壮絶の一言。
痛い、苦しい、辛いの嵐なのに中断出来ず、一気に読み切ってしまった。

大学院生だった著者が自分の居場所を見つけて、夢中で追いかけるものも見つけて、多忙な日々を過ごしていたそんな時、いきなり動けなくなる。
高熱と全身の痛みに耐えながら病院に行くも、診断は曖昧で治療の効果もない。
そんな状態なのにタイに行ってしまう著者のパワーに驚きながらも「ダメだ、やめろ!」と内心で叫んでしまう。

大野さんはパワフルな方だ、と思う。
そしてすごくまっすぐな方だ。
発病前はそのパワーはビルマ一直線だった。彼女の生きる道だった。
発病後、体が動かなくなって、生き続けることにとんでもないパワーが必要になったけど、それは彼女を生かす力にはならなかった。
恋をして、生きたいと思えるまでは。

難病との闘い、社会制度との闘い、彼女を苦しめるものの数は多い。
では、彼女を支えているものはなんだろう?と考えると、それは人だと気付く。
「ここを最後にしよう」と決意して単独で乗り込んだ病院で受け入れてくれた医師、普段は離れて暮らす両親、日々の煩雑な手続きや雑用を手伝ってくれる友人、そして彼女に1番力をくれるDIY難病男子。

この本を読んでいると、「人」の重要性を思い知らされる。
ギリギリ崖っぷちにいる彼女の目を通すと医者も役所の職員も、誠実かどうか一瞬で見破られてしまう。
彼女が誠実な人達に出会って、生きていることをとても嬉しく思う。
そしてそういう「人」がもっと増えることを心から願う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年7月21日
読了日 : 2012年7月21日
本棚登録日 : 2012年7月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする