さよなら! 僕らのソニー (文春新書 832)

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年11月18日発売)
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先日テレビ事業を中心に業績不振で赤字決算となり、ストリンガーCEOが退陣することになったソニーの経営者達を題材にした本。私も小学生の時から、テレビ・ラジカセ・コンポ・ウオークマン・・・とエレクトロニクスはソニーが一番と信じてきた世代であり、昨今の低落傾向に非常にさびしさを感じていたので購入した。
創業者の盛田・井深氏の時から、ソニーにしか作れないものを作っていこうという技術者魂があり、それを大賀氏の時代までは脈々と受け継がれてきた。しかし、出井氏の代から、ハードではなく、ゲームやコンテンツといったソフトを重視する戦略がとられるようになり、低落が始まった。これには、ソニーエンターテイメント等の会社から現在のストリンガー氏を始めソニー本体の経営に携わる人間が、技術の優先順位を落としたからだと断定している。

恐らくこの本の記載内容は一定程度は事実なのであろうが、基本的には公表されている情報、数値を基に、時折怪しげなOBのコメントで裏付けをとっている程度で、全面的には信用できないと思う。著者の考えというよりは一方的な決め付けにより、結果論で様々なマイナス面を断定しているように思えてならない。

本論とは全く無関係だが、現CEOのストリンガー氏は英国出身者だが米国CBSテレビでプレジデントまでやっている。米国の懐の深さを感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済
感想投稿日 : 2012年3月3日
読了日 : 2012年3月2日
本棚登録日 : 2012年3月3日

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