ハッピーアワーは終わらない: かがやき荘西荻探偵局

著者 :
  • 新潮社 (2019年6月19日発売)
3.31
  • (7)
  • (18)
  • (49)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 283
感想 : 35
4

 昨年6月に続編が出ていたことに、今頃気づいた次第である。帯によると、“かがやき荘”シリーズと呼ぶのか、これ? とにかく第2弾が刊行されていた。

 元々、ブレイク後の東川篤哉作品に好意的とは言えない自分だが、このシリーズの前作については、かなり貶してしまった。このキャラクターたちは、単行本1冊で使い捨てられていくだろうと書いている。つまり、続編が出るわけがないと思っていたのだが、それなりに売れて需要があったということか。

 キャラクター説明は前作の感想でもご参照ください。Case 1、若きエリートの悲劇。若くてイケメンで仕事ができて誠実。非の打ち所がない彼の、ささやかな秘密とは。某氏の作品で読んだことがあるネタだが、せめて彼の名誉だけは守ってほしい。

 Case 2、ビルの谷間の犯罪。3人組の1人が、殺人事件の容疑者になった経緯とは。堂々と匿う法界院家もすごいが、何とも間が悪いというか引きが強いというか。探偵役以外のメンバーに、存在意義がある1編とは言えるだろう。

 Case 3、長谷川邸のありふれた密室。ありふれていない密室トリックなどもうないが、意外と感心させられた1編。このパターンは知っていたが、探偵役のようにロジカルに導けなかったのだから、偉そうなことは言えない。いや、言っているか。

 Case 4、奪われたマントの問題。第2作に続き、受難の彼女。彼女がそういう趣味なのは別に悪くないが、これもまた引きの強さの1つなのか。この結果に探偵役が気に病むことはないが、それでも無念さは残る。逮捕に繋がったのがせめてもの救いである。

 さて、全4編、動機も犯行もすべて現実の事件のように短絡的だ。そして、シチュエーションはいずれも意図したものではない。複雑さも周到さも一切ない。その点が新鮮といえば新鮮かもしれない。3人組のキャラは前作より立ってきたが、啓介の存在感は相変わらずない。と、また揚げ足をとるようなことを書いてしまった…。

 本格ミステリ作家クラブ現会長の東川さんは、携帯も持っていなければネットも見ないそうなので、この駄文に目を通すことはないと思うが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 東川篤哉
感想投稿日 : 2020年1月23日
読了日 : 2020年1月23日
本棚登録日 : 2020年1月23日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする