パチンコ「30兆円の闇」〔小学館文庫〕

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レビュー : 16
著者 :
takeachanceさん ノンフィクション   読み終わった 

自分の「パチンコ」のイメージは、店内に「軍艦マーチ」が流れている、
ホールがタバコの煙でモクモクしている…
言わずもがなパチンコに疎い人間である。

騒音が苦手でタバコも苦手な自分は、距離をおきたい場所なんだけど、
休日はもちろん、平日から広大な駐車場を
たくさんの車が埋め尽くしているのを何度もみかけるたびに
「何でこんなに人が集まるのだろう」と疑問に思いながらも、
「自分は知らない魅力があるのだろうな」と自分を納得させていた。

本書は『週刊ポスト』2005年の1月から6月までの連載をまとめた単行本
『パチンコ「30兆円の闇」―もうこれで騙されない』(2005年10月)
に加筆の上に2009年に文庫化されたものなので、少し情報が古い。

公益財団法人の日本生産性本部が出版している『レジャー白書』によると、
1995年には30億9020万円まで膨らんだパチンコ産業の市場規模も、
最初の単行本が出版された2005年は28億7490万円に、
そして、2010年には19億3800万円にまで縮小している。
パチンコ店の数も1995年の17631件をピークに、
2010年では11576件まで減少している。
しかしそれでも巨大な産業であることに変わりはない。

日本のパチンコ店(ホール)の上場企業は何故ないのかの理由がわかった。
警察が自らの大切な「利権」をみすみす手放すはずがないものね。
あと、読みながら、AV産業の仕組みと非常に似ているなあと思った。

そういえば、印税収入ランキングで必ずランクインする「エヴァンゲリオン」も、
使用料全体の44%がパチンコ・パチスロでの著作権使用料なのだそうだ。
あと、タレントの肖像権料は1億円と聞いたことがある。

地元のテレビではバンバンローカルのパチンコ店のCMが流れている。
あ、でも、テレビよりも新聞の折り込み広告のほうをよくみかけるかもしれない。

新聞の折り込みのパチンコ店のチラシが必ず片面刷りなのには理由がある。
「経費を削減するため」のほかに、
「新機種導入の内容だけなので、両面を必要とするほどの情報がそもそもない」
「(ギャンブル性が高いため)自主規制、
 もしくは生活安全課(防犯課)の指導が入っている」などなど。

考えてみたら、自分の好きな深夜番組やプロレスは
パチンコメーカーのスポンサーである場合が多い。
自分のような視聴者層と親和性がありターゲットにするのだろう。

本書ではパチンコ業界と警察、裏社会との関連を挙げていたけど、
政界との関係性にも踏み込んでほしかった。
業界団体パチンコチェーンストア協会には
多数の政治家が政治分野アドバイザーとして連なっているので。

そう言えば、警察庁はパチンコを牛耳ってるんだけど、
他にも総務省は宝くじを、文部科学省はtotoを、農林水産省は競馬(JRA)を、
国土交通省は競艇を、経済産業省はオートレース・競輪を、
そして、地方自治体は公営競馬を管轄している。

近い将来、日本でカジノが解禁になる時はどの団体が牛耳る仕組みになるのかな。
その際も著者の綿密な取材を重ねたルポルタージュを期待したい。

レビュー投稿日
2013年4月7日
読了日
2013年4月7日
本棚登録日
2013年4月7日
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