破戒 (ワイド版岩波文庫)

4.04
  • (7)
  • (14)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 81
レビュー : 8
著者 :
takecoさん  未設定  読み終わった 

事前に父から「堅いけど、ラストが甘い」というコメントを聞いた上で読み始めた。堅いというから中島敦みたいな文体を想像していたけど文章自体は読みやすかった。堅いというよりは、主人公の境遇や心情、冬の信州の描写のため雰囲気が重く厳しい。長野県在住の身からすると自然の描写はかなりリアルで素晴らしいと感じた。また、たまたま主人公と齢が同じで、苦悩する彼には感情移入しやすかった。
終わり方は確かに生ぬるいと感じた。あとがきに述べられているように、藤村は部落民の問題の解決に至ることはできなかった。実際、丑松がひざまずいて生徒に謝るシーンは歯がゆく思った。これを男らしい告白と言えるだろうかと批判したくなったし、丑松や蓮太郎自身が、部落民はあくまで卑しいのだという意識から逃れることができないことが悲しかった。そういう意味では決してハッピーエンドではないと思う。まあ、これが現実的な終わり方だったのかもしれないが、あと一歩進んだところで終わったなら読者ももう少し満足したのではないかと考える。

レビュー投稿日
2014年11月29日
読了日
2014年11月28日
本棚登録日
2014年11月28日
0
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『破戒 (ワイド版岩波文庫)』のレビューをもっとみる

『破戒 (ワイド版岩波文庫)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。
ツイートする