へんてこな贈り物―誤解されやすいあなたに--注意欠陥・多動性障害とのつきあい方

  • インターメディカル (1998年12月10日発売)
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感想 : 9
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自分と向き合うために読んでみた。小学生の頃、ADHD(Attention-Deficit / Hyperactivity-Disorder)と診断されてから十数年。既にその兆候はなくなっているだろうと思って家に置いてあった本書を読んでみて驚いた。一つひとつの事例がことごとく自分に当てはまり、今の自分の状況が腑に落ちた。子供の頃から変わらず成長していたんだと言うことを実感。落ち着かず、気分屋でいつも不安感を抱いていて、衝動的で、集中力が続かない、一方で新しいものを追い求め、行動的で創造力が豊かである。少しでも当てはまる点があるのなら、一度読んでみてはいかがでしょうか。学習障害やうつ病、学校教育に関心のある人にもお勧めです!!
本書を読んで気づいた点は2つ。一点目は、ADHD/ADD族の人たちの成長曲線は上下左右乱高下を繰り返す3次元的なものであるということ。時間経過とともに右肩上がりする2次元表現では収まらず、時間・成長に加え気分の要素が加わった3次元でしか表せない。うまくできている、できていない原因は激しく移り変わる気分にあり、そのために安定した成長ができずに自尊心が挫ける。二点目は、今の自分に必要なのは、「枠組み(準備すること」と「One Touch作業」であること。スケジュール管理や事前作業をきちんとこなす習慣をつけることで同時作業を可能にし、手を付けた時点で作業をして未完状態をつくらないことで溜めこまない。意識して自分を導いてやらないと、ADDによる悪循環からは抜け出せないのだと感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 医学
感想投稿日 : 2012年6月14日
読了日 : 2012年6月14日
本棚登録日 : 2012年6月14日

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