個人的には過去最高の1冊に入る本であった。
それはチェルノブイリの事故のことが丁寧に描かれているからではなく、真実を絵に描いたかのように描写しているからである。
その描写の仕方は、ページをめくるたびに自分に新しい世界を見せてくれた。この事故を歴史の教科書で使われるような記述でしか知らなかった自分は、読み終わった後の目で見えているものが、全く異なっていると感じている。
歴史の中の1つの事件ではなく、事故の日からまた新たな世界が始まったのだと理解できた。
まさに近現代はチェルノブイリ前と後に分けられる。
科学の力の無力さを思い知るだけではなく、無知がもたらす科学の恐怖も読み取ることが出来た。
この21世紀に生きる自分にとって、本当に読んでおいてよかったと思える1冊に出会うことができた。
この本をすすめてくれた友人に感謝を伝えたいのと同時に、二度と感想を伝えることができなくなってしまったことが本当に悔しい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年11月30日
- 読了日 : 2024年1月15日
- 本棚登録日 : 2017年11月9日
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