日本人の言語表現 (講談社現代新書 410)

著者 :
  • 講談社 (1975年1月1日発売)
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≪内容≫
「日本語」の著者である金田一春彦が、日本語の表現に焦点を当て、そこから日本人の心性を明らかにしていく。

≪感想≫
万葉集から現代の謡曲・CMまで、豊富な事例の中から日本人の精神性を考察していく一冊。名著「日本語」が日本語のラングについて詳細に記述したものであるとすれば、本書は日本語のパロールの性格を様々な例を用いて考察している。徹頭徹尾とにかく引用が多く、著者の博覧多識っぷりには驚くばかりである。
初版が昭和50年とわりかし古めの本ではあるが、この30数年で日本人像にどのような変化が起こってきているのかを、この本を参考にして言語表現の面から考えていくというのも面白いかもしれない。たとえば、本書で触れられている「いうな、語るな」や「結末をにごす」といった言語表現は国際社会においては必ずしも歓迎されるものではない。その中でもこういった言語表現が日本特有の美徳として残っていくのか、それとも国際競争力の難として批判され消えていくのか。本書のあとがきで「心血を注いできた言語教育の効果がゼロに近かったことを知り打ちのめされた」と書いてあったが、その変化がよかれ悪かれ、言語表現の中から日本人の特色を探し出すという試みは大事なことのように思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 言語学
感想投稿日 : 2011年8月21日
読了日 : 2011年8月14日
本棚登録日 : 2011年8月21日

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